こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『腰部脊柱管狭窄症に内服薬は効くの?』について解説させていただきます。
腰部脊柱管狭窄症とは、脊柱の中に脊柱管という神経の束(脊髄、馬尾)が通る管があります。
その脊柱管が様々な病態により狭窄している状態を指します。
腰部脊柱管狭窄症は腰痛、下肢(脚)の痛みやしびれ、間欠性跛行(しばらく歩いていると腰や脚が痛くて歩けなくなる)、排尿障害、脚の感覚障害などの症状があります。
主に老化により、背骨のずれ、靭帯の肥厚や骨化、椎間板の変性などにより脊柱管が狭窄していきます。
診断はレントゲンで概ね推測はできますが、詳細に診断する為にはMRIが有用とされています。
・腰痛患者の3%は腰部脊柱管狭窄症を有し、50歳以上では12.5%、70歳以上では約30~40%に及ぶ(長総義弘.2001)(山崎 健.2010)(紺野慎一.2009)
この報告のように腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多い疾患と言われています。
70歳以上では約3割から4割が発症するというのは驚きです。
言われてみると、高齢者の方で「腰が痛い」「脚がしびれる」と訴えている方は多いですね。
2021年4月に『腰部脊柱管狭窄症 診療ガイドライン2021 改定第2版』が出版されました。
これは世界中の有用な論文を様々な視点から検証し、科学的根拠のある論文を集めて検証したものになります。
【監修】日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会
この中から、
『薬物治療は有用か』という項目がありますので、みてみたいと思います。
リマプロスト(リマプロストアルファデクス錠など)
:血行を良くする作用があり、血行の悪さから手足のしびれや冷たさ、痛みがあるものを改善する
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) (ロキソニン、セレコックス、ボルタレンなど)
:抗炎症作用がある(炎症を抑え解熱や鎮痛をする)
ガバペンチノイド(リリカ、タリージェ、ガバペンなど)
:神経障害性疼痛治療薬。抗痙攣作用、鎮痛作用、抗不安作用もある
「推奨度」「合意率」「エビデンス(科学的根拠)の強さ」から結果がまとめられております。
世界中の10編の論文から再編されました。
これらの結果をみてみると、比較的内服薬による薬物治療はエビデンス(科学的根拠)が高いようです。
お尻や足裏のしびれや間欠性跛行の症状が主体である馬尾型の脊柱管狭窄症ではリマプロストが推奨されており有効性があるようです。
腰痛や下肢痛が主体の神経根型の脊柱管狭窄症では非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が推奨されており有効性があるようです。
一方、ガバペンチノイド(リリカ、タリージェ、ガバペンなど)はよく処方されているイメージがありますが、推奨はされていないようです。
これらを参考に、腰部脊柱管狭窄症かなと思い悩まれている方は、お近くの病院で内服薬を処方してもらうのも選択肢かと思います。
今回は、『腰部脊柱管狭窄症に内服薬は効くの?』について解説させていただきました。
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