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『大腿骨転子部骨折術後の大腿外側部痛の要因は?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『大腿骨転子部骨折術後の大腿外側部痛の要因』について解説させていただきます。

このテーマを解説するにあたり、下記の論文から内容をご紹介しようと思います。

2019年に日本人により報告された、比較的新しい研究になります。

この論文の内容でもありますが、大腿骨転子部骨折の大腿外側部痛は臨床上よくあることです。

荷重時痛は骨の痛み、収縮時痛、伸張痛が考えられるなかで、仮骨形成がされる4週を経過しても大腿外側部痛がある症例が多いということから、骨の痛みではないところに焦点をあてた研究となっております。

この論文では

<大腿骨転子部骨折患者の大腿外側部痛と組織滑走との関連性を超音波画像診断装置(エコー)を使用して調査>しております。

 



【対象】大腿骨転子部骨折術後(ガンマネイル)患者23例

【評価時期】は術後3週と術後11週

【方法】

荷重時痛が重度か中等度かで2群に分けております。

評価項目は痛み:安静時痛、圧痛、収縮時痛、伸張痛、荷重時痛および外側広筋と皮下の滑走の改善度合い(エコーにて測定)

エコーでの測定は大腿外側部にオリジナルの固定装置で固定し、対象者の膝を他動で屈伸させ測定。

【結果】

術後3週の2群間において滑走、伸張痛、収縮時痛で有意差があった。

荷重時痛が重度なグループは『滑走の改善と荷重時痛(r=0.49)』『滑走の改善と伸張痛(r=0.42)』に有意な相関を認めた。

【結論】

荷重時痛が重度な大腿骨転子部骨折術後患者は大腿外側部の滑走が減少し、滑走の改善は荷重時痛および伸張痛と関連する。

というような内容になっております。

研究の限界としては

・術後早期の評価ができていないこと

・荷重時痛の研究ではあるが荷重下でのエコー評価ができなかったこと

・症例数が少ないこと

が挙げられておりました。

 



筆者は最後に、リハビリで大腿外側のストレッチを行うが改善していない症例が多いため、ストレッチだけでなく、滑走を改善させることが必要だと述べておりました。

近年は超音波エコーが運動器分野で浸透しており、組織の滑走の重要性を述べておられる先生方が多いですね。

単なるストレッチのような技術ではなく、組織ごとの滑走を改善させる技などの習得が必要かもしれませんね。

今回は、『大腿骨転子部骨折術後の大腿外側部痛の要因』について解説させていただきました。

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