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『踵骨骨折後の痛みが残存しやすい4つの理由』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『踵骨骨折後の痛みが残存しやすい4つの理由』について解説させていただきます。

 



踵骨骨折は足根骨骨折の中で一番多い骨折であり、痛みが残存しやすいとされています。

受傷機転は転落飛び降りが多いとされております。

臨床経験の中でも、やはり疼痛が残存する方は多いですね。

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踵骨骨折の骨折型の分類としてはEssex-Lopresti分類が有名です。

●陥没型(depression type)

足関節が背屈位で、後関節面に垂直な力が加わって、陥没骨折が起こり、さらに力が加わることによって、踵骨突起が上方に転位する。

●舌状型(tongue type):

足関節が中間位で、まず距骨外側突起が斧のような役目をはたし、踵骨外側の足根洞を粉砕し、後関節面に剪断力が加わり、踵骨が上外方に突き上げられるため、踵骨突起が上方に転位する。

主な痛みの原因4つ

1、骨折部の疼痛

2、距骨下関節面の疼痛

3、腓骨筋腱鞘炎

4、踵部脂肪体の損傷

他にも細かい理由はありますが、代表的な4つを挙げさせていただきました。

   



1、骨折部の疼痛

踵骨はほとんどが海綿骨で構成されており、踵骨自体の形状も複雑で手術による整復が難しいという問題があります。

また荷重時にダイレクトに踵骨へ刺激が伝わりますので疼痛を引き起こしやすくなっております。

2、距骨下関節面の疼痛

踵骨骨折の75%は関節内骨折とされています。

関節面には多くに痛みのレセプターがあります。

踵骨の関節面のうち、距骨下関節面は特に荷重を受ける関節であり、骨折が関節内におよんでいたり、距骨下関節面の整復不良があると、荷重による疼痛が強くなります。

3、腓骨筋腱鞘炎

踵骨骨折の手術は主に外側のプレート固定か後方からのスクリュー固定がほとんどです。

このうちの外側プレートの場合、腓骨筋腱をよけてからプレートを設置し、腓骨筋腱を再び戻すため、プレートと腓骨筋腱の摩擦により、腓骨筋腱鞘炎を起こすことがあります。

また、踵骨骨折の転位や整復不良、また荷重による変形により踵骨横径増大が起こることがあり、腓骨筋腱が圧排され腓骨筋腱鞘炎を生じることがあります。

4、踵部脂肪体の損傷

下記の図のように踵骨には脂肪体があります。

 

脂肪体には多くの疼痛受容器が存在します。

受傷時の踵部脂肪体の損傷により疼痛が残存することがあります。

このように踵骨は保存症例、手術症例に関わらず疼痛が残存しやすいため、患者さんにはしっかりと説明してあげることが重要になりますね。

今回は、『踵骨骨折後の痛みが残存しやすい4つの理由』について解説させていただきました。