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『足部周径の臨床的な測定方法』

リハビリスタッフ向け
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『足部周径の臨床的な測定方法』

こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『足部周径の臨床的な測定方法』について解説させていただきます。

 



足部・足関節の浮腫や腫脹などの評価において有名なものはテープメジャーによる周径測定法水槽排水法があります。

◆水槽排水法

水槽排水法というのは満水の水槽に四肢を入れ、あふれ出した水の体積を測定する方法です。

足部・足関節の体積測定方法として検者内信頼性・検者間信頼性ともに級内相関係数(intraclass correlation coefficient:ICC)が0.99(Petersenら.1999)かなり高い信頼性が得られている。

かなり信頼性の高い測定方法ではあるが、簡便に測定できない点で臨床向きではない測定方法ではあります。

検者内信頼性:1人の検者が検査や測定を複数回繰り返したときの信頼性

検者間信頼性:複数の検者によって検査・測定された数値の信頼性

ICC:0.7以上で信頼性が高いとされている。数値は0~1まで。

  



◆テープメジャーによる周径測定法

テープメジャーによる周径測定法は、上肢や下肢については、上腕・前腕・大腿・下腿といろいろな書籍や論文にも記載されており、リハビリ関連の養成校でも習うことであろうと思います。

しかし足関節・足部の周径測定方法が記載されている書籍や論文はほとんど見当たらず、また標準化されていないのが現状です。

◆臨床的な足部周径法の論文

下記の論文では、臨床的な足関節・足部の周径測定方法が3つ記載されております。

廣重陽介ら:臨床場面で有用な足部および足関節の周径測定法の検討.理学療法科学33(2):215-218,2018

【対象】

健常成人10名20足(男性4名,女性6名)

年齢:24.6±2.9歳   身長:164.1±7.6㎝  体重:58.5Kg±10.3kg

◆Figure-of-Eight法(Esterson.1979)

◆Figure-of-Eight変法(後藤克宏ら.1997)

◆Combi法

 



 

◆Figure-of-Eight法(Esterson.1979)

足関節内外反中間位、底背屈0°位で、テープメジャーが距腿関節、距骨下関節を横切り、8の字に足関節を包むように測定する

・1前脛骨筋腱と外果の中間を開始位置→2舟状骨結節→3第5中足骨骨底→前脛骨筋腱に戻り→4内果下端→アキレス腱を横切る→5外果下端→1開始位置(前脛骨筋腱と外果の中間)

検者内信頼性はICC=0.99

検者間信頼性はICC=0.98

水槽排水法との相関=0.90(p<0.05)

測定時間44.0秒

測定値=497.4±21.3mm

(廣重陽介ら.2018)

Figure-of-Eight法(FOE法)は検者内・検者間信頼性がかなり高く、信憑性の高い水槽排水法との相関も高い数値となっております。

よってFigure-of-Eight法(FOE法)は足関節・足部の周径測定法としては有用であると考えられます。

 



◆Figure-of-Eight変法

(後藤克宏ら:足部浮腫及び萎縮状態評価のための周径測定法の検討~健常者における基礎研究~.理学療法学.1997,24(suppl2):329.)

・1舟状骨結節を開始姿位→2第5中足骨骨頭→3第1中足骨骨頭→4第5中足骨骨底→1開始姿位(舟状骨結節)

検者内信頼性はICC=0.99

検者間信頼性はICC=0.87

水槽排水法との相関=0.83(p<0.05)

測定時間29.5秒

測定値=487.6±22.5mm

(廣重陽介ら.2018)

Figure-of-Eight変法(FOE変法)もFOE法には少しだけ劣りますが、検者内・検者間信頼性がかなり高く、信憑性の高い水槽排水法との相関も高い数値となっております。

よってFigure-of-Eight変法(FOE変法)も足関節・足部の周径測定法としては有用であると考えられます。

 



◆Combi法

Combi法=Figure-of-Eight法+Figure-of-Eight変法

Combi法は上記2つの方法を合わせたものになります。

以上のことからFigure-of-Eight法、Figure-of-Eight変法ともに、臨床で簡便に測定可能であり信頼性・妥当性ともに高いため、足関節・足部の周径測定方法として有用ではないかと思われます。

今回は、『足部周径の臨床的な測定方法』

について解説させていただきました。

 『足底腱膜炎にはアキレス腱ストレッチが有効?~heel cord理論~』

  



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