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『鵞足構成筋に対する鑑別テストの方法!!』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『鵞足構成筋に対する鑑別テストの方法!!』について解説させていただきます。

膝関節で一番痛みを感じやすい組織は?



鵞足といえば、脛骨内側に停止している3つの腱が鵞鳥の足のように見えることから「鵞足」と呼ばれています。

鵞足は炎症を起こすことがあり(鵞足炎)、変形性膝関節症(膝OA)やスポーツ傷害で好発します。

鵞足炎は鵞足筋腱炎鵞足包炎に大別されます。

鵞足と内側側副靭帯の間には鵞足包が存在します。

どちらの病態も鵞足筋付着部や鵞足包への、繰り返される摩擦や伸張ストレスが原因となり疼痛を引き起こします。

変形性膝関節症(膝OA)では膝関節が痛いのではなく実は鵞足部が痛いということは多々あり、鵞足筋にアプローチをすると痛みが改善することを多く経験します。

鵞足の筋腱移行部と鵞足の付着部には侵害受容器が多く分布しており、痛みを生じやすい箇所になっています。

 



◆鵞足構成筋

 

●縫工筋

起始:上前腸骨棘

停止:脛骨粗面内側の鵞足

作用:股関節内転・外転・外旋、膝関節屈曲・内旋

神経支配:大腿神経(L2-L4)

●半腱様筋

起始:坐骨結節と仙結節靭帯

停止:脛骨粗面内側の鵞足

作用:股関節内転・伸展、膝関節屈曲・内旋

神経支配:脛骨神経(L5-S2)

●薄筋

起始:恥骨結合下方の恥骨下枝

停止:脛骨粗面内側の鵞足

作用:股関節内転・屈曲、膝関節屈曲・内旋

神経支配:閉鎖神経(L2-L4)

 



◆鵞足構成筋に対する鑑別テスト

鵞足包炎、鵞足筋腱炎など、鵞足に問題がわかったところでアプローチに移る際に、鵞足筋のうちどの筋が問題となっているかを調べる際に下記の「鵞足筋の鑑別テスト」が有効です。

(赤羽根良和:理学療法ジャーナル.2016より引用して改変)

 

●薄筋

股関節伸展・外転位から膝伸展・下腿外旋した際に、薄筋もしくは鵞足部に痛みがある確認します。

この時に反対側の下肢は外転位で固定しておきます。

この肢位では半腱様筋、縫工筋は短縮位となります。

●半腱様筋

股関節屈曲・内転位から膝伸展・下腿外旋した際に、半腱様筋もしくは鵞足部に痛みがある確認します。

この肢位では薄筋、縫工筋は短縮位となります。

●縫工筋

股関節伸展・内転位から膝伸展・下腿外旋した際に、縫工筋もしくは鵞足部に痛みがある確認します。

この肢位では半腱様筋、薄筋は短縮位となります。

鵞足構成筋に対する鑑別テストを行うことで問題となる筋のターゲットを絞り込むことが可能となります。

合わせて圧痛所見も確認しておくと、さらに問題筋の信憑性が高まります。

今回は、『鵞足構成筋に対する鑑別テストの方法!!』について解説させていただきました。

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