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『腱板断裂の保存療法におけるリハビリの進め方』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『腱板断裂の保存療法におけるリハビリの進め方』について解説させていただきます。



腱板断裂は50~60代で増加していき、60代の25%、70代の45%は腱板断裂があるとされています(症状は有無は関係なし)。

また、腱板断裂患者の約60~70%は無症候性(症状がない)といわれています。

(Yamamoto A:J Shoulder Elbow Surg.2011)

腱板断裂の代表的な症状は上肢の挙上機能不全ですが、痛みに関してはある人とない人がいます。

腱板断裂の受傷機転としては主に2つあります。

●外傷による腱板断裂

●退行変性(老化)による腱板断裂

この2つでリハビリの進め方は大きく異なります。

大前提として絶対知っておかなければならないことは、腱板断裂の症例に損傷している腱板筋のトレーニングを行わないことです。

なぜなら症状が悪化するからです。

下の図に、異なる2つの受傷機転について示しています。

退行変性での腱板断裂は肩甲胸郭が硬かったり、不良姿勢などで腱板に負担がかかりやすい状態になっていた可能性があります。

腱板断裂のリハビリをする上での考え方は下の図に示しました。

腱板断裂した筋は完全に再生することはできません。

しかし、3週程度経過すると組織が癒着し、わずかに結合組織が再生していることはあります。

よって100%元の状態に戻ることは難しいですが、腱板断裂の重症度によっては、ある程度の回復は見込めるかと思います

 



●退行変性での腱板断裂のリハビリ

・退行変性で腱板が断裂(損傷)した場合は、前提に肩甲胸郭の硬さや不良姿勢がある可能性がありますので、そちらにアプローチを行い、腱板への負荷量を減らします。

・そして上腕骨頭の位置が不良となり、腱板に負荷がかかっていることもありますので、上腕骨頭の位置を修正します(周囲の硬い軟部組織の治療)。

・さらに断裂した腱板以外の上肢挙上筋の筋力トレーニングを行います。

※断裂した腱板のトレーニングは禁忌です。

●外傷での腱板断裂のリハビリ

外傷の場合は、元は正常の肩であった可能性が高いので、肩甲胸郭や不良姿勢からの影響が少ない可能性が高いです(個人差あり)。

・よって、断裂した腱板以外の上肢挙上筋の筋力トレーニングがメインとなります。

※断裂した腱板のトレーニングは禁忌です。

これらのリハビリをして2~3か月した頃におおよそ上肢の回復具合が決まってくるのではないかと思います。

3か月以降の回復はごく軽度かと思います。

今回は、『腱板断裂の保存療法におけるリハビリの進め方』について解説させていただきました。

  



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