『腰部脊柱管狭窄症に対する装具や物理療法は有効か？』診療ガイドライン2021

こんにちは！

運動器専門のリハビリスタッフです！！

いつもお世話になります。

今回は、『腰部脊柱管狭窄症に対する装具や物理療法は有効か？』について解説させていただきます。

本邦は超高齢社会に突入し、ますます脊柱管狭窄症の症例が増えてくることが予想されます。

腰部脊柱管狭窄症に対して、コルセットや温熱療法、超音波療法、牽引療法、電気治療などの物理療法が効果があるのか気になるところですね。

実際に治療手段として使用されている先生方も多い印象です。

2021年4月に『腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2021 改定第2版』が出版されました。

これは世界中の有用な論文を様々な視点から検証し、科学的根拠のある論文を集めて検証したものになります。

【監修】日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会

この中から、

『装具療法，物理療法は有用か』という項目がありますので、みてみたいと思います。

「推奨度」「合意率」「エビデンス（科学的根拠）の強さ」から結果がまとめられております。

世界中の5編の論文から再編されました。

●結論から言うと

装具（コルセット）も、物理療法も効果があると推奨できるものはないようです。

以下のようなことが報告されています。

■装具療法に関しては、コルセット装着により歩行能力が向上すると報告している論文が

あるが、無治療群（プラセボ群）との比較がされていないことから、有用性が明確ではな

い。

■腰部脊柱管狭窄症に対する牽引療法の効果は気になるところではありますが、論文はないそうです。

■温熱療法単独での報告はない

■温熱療法、TENS、超音波慮法の併用での治療は、ADL、QOL、疼痛、歩行能力に対して

は有用ではなかった。

■腰部脊柱管狭窄症術後症例に対してのTENSは下肢痛、しびれ、歩行満足度が良好であ

った。

これらの結果から、2021年現在では、腰部脊柱管狭窄症保存症例に対しては、温熱療法や電気治療、超音波療法、牽引療法などの物理療法は推奨されておらず、術後症例に対してのTENSは効果があるということでした。

物理療法ではなく他の手段で治療介入していく方が良さそうですね。

今回は、『腰部脊柱管狭窄症に対する装具や物理療法は有効か？』について解説させていただきました。