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『足底腱膜炎になりやすい人の特徴と予後、治療法!!』

足関節
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『足底腱膜炎になりやすい人の特徴と予後、治療法!!』について解説させていただきます。



足底腱膜とは踵骨から足趾の底面に拡がる膜状の組織であり、ジャンプやランニングなど衝撃を吸収する作用があります。

足底腱膜炎は足部に愁訴のある患者の11~15%を占めるとされています。(Preffer G:Foot Ankle Int.1999)

またアメリカでは200万人の患者がいて、国民の約10%が罹患するとされており、特にアスリートに多く8~21%が罹患するという報告があります。

足底腱膜炎はランニングやスポーツ、長時間の立ち仕事などで発症することが多いとされています。

そんな中、2019年に、足底腱膜炎の危険因子や治療法などをまとめてくれている論文が海外で報告されております。

この論文の検証結果が気になるところであります。

『足底腱膜炎にはアキレス腱ストレッチが有効?~heel cord理論~』

 



◆論文紹介

Am Fam Physician (IF: 3.29; Q2)

. 2019 Jun 15;99(12):744-750.

Plantar Fasciitis

足底腱膜炎

Thomas Trojian 1Alicia K Tucker 1

Affiliations expand

  • PMID: 31194492

Abstract

Plantar fasciitis is a common problem that one in 10 people will experience in their lifetime. Plantar fasciopathy is an appropriate descriptor because the condition is not inflammatory. Risk factors include limited ankle dorsiflexion, increased body mass index, and standing for prolonged periods of time. Plantar fasciitis is common in runners but can also affect sedentary people. With proper treatment, 80% of patients with plantar fasciitis improve within 12 months.

概要

足底腱膜炎は、10人に1人が生涯に経験するといわれる一般的な問題である。足底腱膜症は、炎症性ではないため、適切な表現である。危険因子としては、足関節の背屈制限、肥満度の増加、長時間の立ち仕事などが挙げられる。足底腱膜炎はランナーによく見られますが、座り仕事をしている人でも発症することがあります。適切な治療により、足底腱膜炎患者の80%は12ヶ月以内に改善します。

Plantar fasciitis is predominantly a clinical diagnosis. Symptoms are stabbing, nonradiating pain first thing in the morning in the proximal medioplantar surface of the foot; the pain becomes worse at the end of the day. Physical examination findings are often limited to tenderness to palpation of the proximal plantar fascial insertion at the anteromedial calcaneus. Ultrasonography is a reasonable and inexpensive diagnostic tool for patients with pain that persists beyond three months despite treatment.

足底腱膜炎は主に臨床的な診断になります。症状は、朝一番に足底の近位中足部に刺すような、非放射性の痛みがあり、痛みは一日の終わりに悪化する。身体所見は、踵骨前内側にある足底腱膜挿入部の触診による圧痛に限られることが多い。超音波検査は、治療にもかかわらず3ヵ月以上痛みが持続する患者にとって、合理的で安価な診断手段である。

Treatment should start with stretching of the plantar fascia, ice massage, and nonsteroidal anti-inflammatory drugs. Many standard treatments such as night splints and orthoses have not shown benefit over placebo. Recalcitrant plantar fasciitis can be treated with injections, extracorporeal shock wave therapy, or surgical procedures, although evidence is lacking. Endoscopic fasciotomy may be required in patients who continue to have pain that limits activity and function despite exhausting nonoperative treatment options.

治療は、足底腱膜のストレッチ、アイスマッサージ、非ステロイド性抗炎症薬から始める必要があります。ナイトスプリントや装具のような多くの標準的な治療法は、プラセボと比較して有効性を示していない。再起不能な足底腱膜炎は、エビデンスに乏しいが、注射、体外衝撃波療法、または外科的処置で治療することができる。非手術的な治療法を尽くしてもなお、活動や機能を制限する痛みを持ち続ける患者には、内視鏡的な筋膜切開術が必要かもしれな

い。

 



◆まとめ

上記の論文では足底腱膜炎についての危険因子や予後、治療法が紹介されています。

・足底腱膜炎の生涯発生率は約10%

・危険因子としては、足関節の背屈制限、肥満度の増加、長時間の立ち仕事

・足底腱膜炎はランナー多いが、座り仕事の方も発症することがある

・保存療法により足底腱膜炎患者の80%は12ヶ月以内に改善する

・症状は、朝一番に足底の近位中足部に刺すような痛みがあり、一日の終わりに悪化する

・身体所見は、踵骨前内側にある足底腱膜挿入部の触診による圧痛に限られることが多い

・超音波検査は合理的で安価な診断手段である

・治療は足底腱膜のストレッチ、アイスマッサージ、非ステロイド性抗炎症薬が有効

・ナイトスプリントや装具のような治療法は有効性を示していない

・再起不能な足底腱膜炎は、エビデンスに乏しいが、注射、体外衝撃波療法、外科的処置(内視鏡的な筋膜切開術など)で治療することができる

 



当然ではありますが、足底腱膜に負荷のかかる生活様式では足底腱膜炎になりやすいようです。

また、保存療法で緩解することが多いようです。

近年、足底腱膜炎に対する体外衝撃波の有効性を示す論文も続々と報告されていますので、気になるところではありますね。

今回は、『足底腱膜炎になりやすい人の特徴と予後、治療法!!』について解説させていただきました。

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