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運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『腰痛患者の14%は椎体終板変性あり?~Modic change~』
について解説させていただきます。
◆椎体終板変性(Modic change)とは
椎体終板変性(Modic change)は加齢による脊椎の退行性変化です。
Modic Change とは 1988 年 Modic らによって発表された MRI における椎体終板から椎体にかけての異常信号の分類方法であるとされています。
椎体終板変性(Modic change)は近年、弱毒筋(アクネ菌)による感染説も提唱されており、抗生剤投与にて、良好な治療成績も報告されています。
◆Modic changeの分類(Modic変性)
Modic分類は1988年にModic氏によって報告されており、椎間板の変性に伴って生じる椎間骨軟骨症による椎体終板下の骨髄信号変化の分類とされています。
Modic分類はMRI所見にて判断していきます。
Modic type 1:浮腫や炎症により,T1強調像で信号が低下,T2強調像で信号が上昇する。
Modic type 2:脂肪髄化により,T1強調像で信号が上昇,T2強調像で高信号となる。
Modic type 3:骨硬化により,T1強調像およびT2強調像で低信号となる。
腰痛の原因は主にModic type1であるとされています。
腰痛の種類としては基本的には椎間板性腰痛を生じます。
椎間板性腰痛に関しては以下の記事をご参照ください。
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◆椎体終板変性(Modic change)の治療
腰痛の原因は諸家の報告にて、主にModic type1であるとされています。
治療目標としては痛いTypeⅠをTypeⅡ、TypeⅢに移行、もしくは痛くないTypeⅠに変化させていくことが良いともされています。(手束 文威:MB Orthop.2023)
また、運動療法では腰部負荷を軽減させるべく、Joint by joint theoryが有効であり、保存療法に抵抗する症例には全内視鏡手術が有効と報告されています。(眞鍋 裕昭:整形・災害外科.2020)
Joint by joint theoryについては下記の記事をご参照ください。
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手術に関しては、椎間板性腰痛およびTypeⅠ Modic changeを伴う腰痛患者の根本治療は椎体間固定術であるとされています。
しかし、椎体間固定術では隣接椎間障害や、固定椎間でのインプラントによる疼痛なども懸念されるところではあります。
そこで、近年は局所麻酔下の全内視鏡脊椎手術(FEDC:Full-Endoscopic disc cleaning)による良好な成績が、徳島大学病院を中心に報告されています。
FEDC:Full-Endoscopic disc cleaningは術中に大量の生理食塩水で椎間板内を洗浄し、線維輪断裂部に迷入する移動髄核を摘出し、椎間板内圧を下げます。そして、線維輪断裂部に生じた炎症性肉芽組織・新生血管・自由神経終末をラジオ派バイポーラ-で凝固・焼灼します。(Sairyo K,et al:J Med Invest.2021)
今回は、『腰痛患者の14%は椎体終板変性あり?~Modic change~』
について解説させていただきました。