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『橈骨遠位端骨折を生じやすい人の特徴~橈骨遠位端骨折 診療ガイドライン2017より~』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『橈骨遠位端骨折を生じやすい人の特徴~橈骨遠位端骨折 診療ガイドライン2017より~』

について解説させていただきます。



橈骨遠位端骨折と言えば、高齢者の4大骨折に入っておりますので、超高齢社会に突入する日本においては、増加の一途をたどることが予測されます。

2017年5月に『橈骨遠位端骨折 診療ガイドライン2017 改定第2版』が南江堂から出版されました。

これは世界中の有用な論文を様々な視点から検証し、科学的根拠のある論文を集めて検証したものになります。

【監修】日本整形外科学会、日本手外科学会

1988年から2014年の1700編の論文から編集されております。

この中から、

『橈骨遠位端骨折の疫学』という項目の中に

◆橈骨遠位端骨折の発生状況

◆橈骨遠位端骨折の発生にかかわる危険因子は?

これらの小項目がありますので、見てみたいと思います。



◆橈骨遠位端骨折の発生状況

ここでは世界中の11編の論文から再編されました。

そのうち和文は3編でした。

・諸外国においては成人(16歳以上)の橈骨遠位端骨折の年間発生率は人口1万人あたり14.5~28人とされており、男女比は女性が男性の1.9倍~3倍多く発生する。

・日本においては、全年齢を対象とした橈骨遠位端骨折の発生率は人口1万人あたり10.9~14人とされており、男性:女性の比率は1:3.2となっており諸外国と同様の結果となっております。

・受傷機転としては立位からの転倒(低エネルギーの骨折)が最多であり、原因の約49~77%を占めている

・受傷する場所は屋外が多い

・受傷する季節は冬季に多い(←興味深いですね)

・利き手、非利き手は発生率に差はない

 



◆橈骨遠位端骨折の発生にかかわる危険因子は?

ここでは世界中の14編の論文から再編されました。

そのうち和文は0編でした。

橈骨遠位端骨折発生の危険因子

危険因子オッズ比またはハザード比
高齢1.01~1.02
女性3.77
低体重0.99
BMI低値0.95
独居1.57
グルココルチコイドの使用歴4.86
骨粗鬆症や骨量減少の有病率1.73~10.02
氷晶雨や路面の凍結、低気温といった気象1.24~2.5
中手骨における骨皮質の多孔性や橈骨遠位端部の骨微細構造の劣化1.42~2.98
血清ビタミンD低値1.7~6.27
片脚起立時間15秒未満5.1
RUNX2の11A対立遺伝子の保有1.7~1.9
テストステロン低値1.15~2.07

グルココルチコイド:

副腎皮質ホルモンで抗炎症作用、免疫抑制作用があり自己免疫疾患やアレルギー性疾患な

どに使用される

テストステロン:男性ホルモンのひとつ

これらが危険因子であり、

特に

・女性

・グルココルチコイド使用歴

・骨粗鬆症や骨量減少の有病率

・血清ビタミンD低値

・氷晶雨や路面の凍結、低気温といった気象

・中手骨における骨皮質の多孔性や橈骨遠位端部の骨微細構造の劣化

・片脚起立時間15秒未満

オッズ比またはハザード比が高いですね

要するに骨が弱い状態で転倒しやすい状況が橈骨遠位端骨折の発生率が高いということになりますね。

これらの結果に当てはまる方は要注意ですので、気をつけていただく必要がありますね。

今回は、『橈骨遠位端骨折を生じやすい人の特徴~橈骨遠位端骨折 診療ガイドライン2017より~』

について解説させていただきました。

 『橈骨遠位端骨折への超音波や電気刺激は骨癒合を促進させるか?』