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『トレンデレンブルグ徴候とトレンデレンブルグ様徴候?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『トレンデレンブルグ徴候とトレンデレンブルグ様徴候?』について解説させていただきます。

『トレンデレンブルグ様徴候』という現象をご紹介する前に、まずは通常のトレンデレンブルグ徴候のおさらいです。

トレンデレンブルグ徴候は1895年に報告されており、かなり歴史は古いです。

トレンデレンブルグ徴候は歩行中の股関節外転筋の筋力低下から起こるとされており、立脚期に反対側へ骨盤が下制する現象です。

変形性股関節症や大腿骨近位部骨折症例、THA(人工股関節全置換術)症例で出現することが多いですね。

 



次に本題の『トレンデレンブルグ様徴候』です

トレンデレンブルグ様徴候というのは現象としてはトレンデレンブルグ徴候と同じですが、原因が違うようです。

この論文では、内腹斜筋の筋力低下からトレンデレンブルグ様徴候が生じるという、筋電図で評価を行った症例報告です。

・立位で一側下肢への荷重の増大などにより、仙腸関節への剪断力が増大する。

・仙腸関節への剪断力に対して、内腹斜筋は安定化作用がある。

この2点から内腹斜筋機能低下があると、仙腸関節への負荷を軽減させるため、反対側骨盤の下制による代償的現象が生じる可能性があると考えられます。


特に仙腸関節や腰椎周囲、骨盤帯に何かトラブルがある症例においては、内腹斜筋の筋力低下があると、このような代償的なトレンデレンブルグ様徴候を呈する可能性があるかもしれません。

よって、トレンデレンブルグ徴候が症状として出現しているときは、股関節外転筋の筋力低下だけを疑わず、体幹(内腹斜筋)の要素など幅広い視点でみることが重要ですね。

トレンデレンブルグ徴候がある方に対して、股関節外転筋へのアプローチで改善しない場合は、内腹斜筋へのアプローチで改善するかもしれません。

昔からの定説ばかりに気をとられるのではなく、幅広い視点で思考し、評価やアプローチを行っていく必要がありそうですね。

今回は、『トレンデレンブルグ徴候とトレンデレンブルグ様徴候?』について解説させていただきました。