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脊椎圧迫骨折の痛みはいつ軽減するのか?

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は脊椎圧迫骨折の痛みはいつ軽減するのか? について解説していきたいと思います。

 



日本は超高齢社会に突入し、脊椎圧迫骨折を受傷する方がとても多くなってきました。

脊椎圧迫骨折は痛みがかなり強く、苦しんでおられる患者さんも多いと思われます。

そんな中で、患者さんから「この腰(背中)の痛みはいつとれるの?」と聞かれることはないでしょうか?

担当の先生として明確に答えれますでしょうか?

ちなみに私は、患者さんを担当してすぐに、

・痛みがいつ頃ましになるか

・痛みがいつとれるか?

・痛みがとれた頃には元の生活ができるか?

・どのようなリハビリが必要か?

・どれくらいの頻度でリハビリが必要か

・やっておいた方が良いこと

・やらない方がいいこと

などを伝えるようにしています。

なぜなら、こういったことが、患者さんが気になることだからです。

担当の先生になったからには、これらのことを完璧に伝えれるようにならないといけないと個人的には思っております。

そしてこれらのことを伝えれない場合は、『知識不足』ということになりますので、しっかりと勉強していかなければなりません。

論文を検索するなり、文献を読んでみるなり、講習会に行ってみるなり、手段はいくらでもあります。

一昔前は、脊椎圧迫骨折に関するリハビリの情報はかなり少なかったです。2010年頃には、本屋さんに行ってみても、脊椎圧迫骨折に関するリハビリの本は1冊もありませんでした。

 



脊椎圧迫骨折の痛みはいつ軽減する?

では本題ですが、脊椎圧迫骨折の痛みはいつごろ軽減するのか。

結論から言いますと、

・激痛が落ち着くのは受傷から3日前後

・ある程度、痛みが落ち着くのは受傷から2~3週程度

・痛みが感じにくくなるのは受傷から3~6か月程度

ということが言えます。

 



もちろん個人差はあります。

これらの疼痛が緩和していく時期には、もちろん根拠があります。

激痛が落ち着いてくる受傷から3日前後というのは、急性炎症期が72時間ということから、3日程度で激痛は落ち着きます。

ある程度、痛みが落ち着きだす、受傷から2~3週というのは、軟性仮骨が出現し始める時期であり、骨が安定してくる時期です。骨が安定してくると痛みが軽減していきます。ちなみに骨折後、破骨細胞は10日目がピークと言われており、骨がどろどろの状態です。圧潰変形しやすい時期でもありますので、注意してください。

そして痛みが感じにくくなるのが、受傷から3~6か月ですが、この時期は椎体骨折の骨癒合時期になります。(個人差あり)

主治医からコルセット除去の許可がでるのはこの時期に合わせて、受傷から3か月前後が多いです。

以上のような知識があれば、患者さんに上手く説明できるのではないでしょうか。

 



ちなみにですが、脊椎圧迫骨折の方への手術療法は日本では約10%というデータがあります。

脊椎圧迫骨折への手術療法のほとんどが椎体形成術になります。

骨折椎体にセメントや人工骨を挿入する手術になります。

一番有名で日本で多くされている手術がBKP(Baloon Kypoplasty):経皮的椎体形成術になります。

骨折椎体をバルーンで膨らませて骨セメントを挿入する手術です。

手術時間は1時間程度の比較的短時間で終わる手術です。

このBKP後は、術前に痛くて動けなかった患者さんでも、術後翌日からほとんど痛みがなく独歩が可能になることが多いです。病院によっては、日帰り手術で対応しているところも存在します。

今回は、脊椎圧迫骨折の痛みについてお話させていただきました。

また、脊椎圧迫骨折に対するリハビリテーションの内容について、今後、配信したいと思います。

 脊椎圧迫骨折のリハビリは何をすればいいの?

 『脊椎圧迫骨折や腰痛に対する腰椎装具(コルセット)の種類と特性』