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『膝関節モビライゼーションの方法~膝関節牽引徒手操作~』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

について解説させていただきます。



膝関節は膝蓋大腿関節、内側大腿脛骨関節、外側大腿脛骨関節の3つの関節で構成されています。

日本では膝関節のO脚変形が多く、膝関節の内側にストレスがかかることで、内側大腿脛骨関節の変形性膝関節症になることが大半を占めます。

内側大腿脛骨関節の変形性膝関節症では立位や歩行時に膝の内側が痛いことが多く、膝蓋大腿関節の変形性膝関節症では立ち上がりや階段昇降などの膝の屈曲伸展時に膝蓋骨周囲が痛むことが多いとされています。



そんな中、2022年に変形性膝関節症に対して、膝関節牽引は有効かを検証している論文が海外で報告されています。

(Abdel-Aal NM et al:Mechanical traction from different knee joint angles in patients with knee osteoarthritis: A randomized controlled trial, Clin Rehabil,36(8):1083-1096,2022)

上記論文では変形性膝関節症患者120名を無作為に4群(30名ずつ)に分け、

A群:理学療法群、B群:理学療法+膝伸展位牽引群、C群:理学療法+膝90°屈曲位牽引群、D群:理学療法+膝20°屈曲牽引群に分けて膝関節徒手牽引の効果を検証しております。

評価項目は痛みの項目としてVisual analog scale(VAS)、膝関節可動域、膝関節機能評価としてWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)を測定しております。

結果として、B群(0°牽引)、C群(90°牽引)、D群(20°牽引)の3つの牽引群は疼痛スコア、WOMAC(身体機能)が有意に成績が向上したようです。

特にC群(90°牽引)の一番改善度が良かったようです。

 『変形性膝関節症(膝OA)に膝関節牽引は有効か?』



◆膝関節包のモビライゼーション(90°徒手牽引)

膝関節包のモビライゼーションの方法は多岐にわたりますが、上記論文でも示されたように、膝関節屈曲90°で徒手牽引操作をする方法を下記に記します。

 

対象者は端坐位で膝関節屈曲90°とします。

治療者は両母指を脛骨粗面にクロスするようにひっかけると徒手牽引がしやすくなります。

そして、下腿を下方に牽引するのですが、この時に治療者の両下肢で対象者の下腿遠位部を挟むように固定し、治療者の両下肢でも下腿を下方に牽引するとより効果的です。

この治療後に歩行時の膝関節痛や、膝深屈曲時の膝関節痛が経験することも多く経験します。

今回は、『膝関節モビライゼーションの方法~膝関節牽引徒手操作~』について解説させていただきました。