こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『腰椎椎間孔が拡大する姿勢(肢位)とは?』
について解説させていただきます。
腰椎椎間孔狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに伴う神経根症状などを呈する症状に遭遇することがあると思います。
いわゆる坐骨神経痛のような症状がでることもあります。
保存療法におけるリハビリの手段としては、椎間孔を徒手的に拡大させて神経根の通り道を広げてあげることで、症状が緩和することは想像がつくと思います。
しかし、いろいろな論文、書籍をみても椎間孔が拡大する運動学について私が知る限りでは
記載されているものはほとんどありません。
腰椎の屈曲にて椎間孔が拡大し、伸展にて椎間孔が狭小化することが、記載されているものはありますが、側屈や回旋について記載されているものはほとんどありません。
そんな中で下記の論文では、側屈と回旋についても記載があります。
Positional Distraction, A Radiological Confirmation
The Journal of manual & manipulative therapy 1(3):83-86.1993
Douglas S. Creighton
Abstract
Perhaps the most important consequence in the provision of a traction force to the human spinal column is the subsequent foraminal distraction which occurs. A lateral x-ray was taken of the left lumbar neuroforamen in 10 subjects. The average foraminal opening was over 4 mm at L3, L4, and L5. It is possible that even greater opening could have been achieved if towel rolls had been individually fitted as is done in a clinical setting. This study confirms the merit of positional distraction as a means to open the lumbar neuroforamen.
人間の脊柱に牽引力を与える際の最も重要な結果は、その後に起こる椎間孔の伸張であろう。10人の被験者の左腰部の椎間孔を側面からX線撮影した。その結果、L3、L4、L5で平均4mm以上の椎間孔が開いていた。臨床現場で行われているように、タオルロールを個別に装着すれば、さらに大きな開口部が得られた可能性があります。この研究は、腰椎の椎間孔を開くための手段として、良い姿勢のメリットを確認するものである。
Abstractでは姿勢については記載がありませんが、論文の内容をみてみると、
ボランティアの健常成人を対象として、腰椎屈曲・健側側屈・患側回旋肢位でのレントゲン撮影を実施したところ、L3/4~L5/S椎間孔が前後径4.75~4.95mm,上下径7.20~7.64mm拡大したと報告されています。
このような姿勢にすると椎間孔が拡大するそうです。
脊椎は解剖学的に個人差がありますので、全員がこの姿勢で椎間孔が開くかはわかりませんが、少なくとも、この論文では10名を調査したところ、椎間孔の拡大が確認されているそうですので貴重な報告になると思います。
実際に臨床場面で試してみると、症状が緩和する症例もいらっしゃいます。
試してみる価値はあるかと思います。
今回は、『腰椎椎間孔が拡大する姿勢(肢位)とは?』
について解説させていただきました。