こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『結帯動作は外転結帯と内転結帯のどちらがいいの?』について解説させていただきます。
結帯動作とは文字通り帯を結ぶような動作で、自分の腰に手を回すような上肢の動作になります。
結帯動作はスクリーニング的に上肢の動き(特に肩)を評価できる動作でもあり、肩の機能評価や治療の効果判定、などにもよく使用されます。
運動学的には
肩甲骨の前傾・内転・下方回旋
肩甲上腕(GH)関節の伸展・内旋・内転or外転
になります。
この<内転or外転>については後ほど解説します。
また、結帯動作はADL(日常生活動作)とも関わりが深いです。
ADL(日常生活動作)では
●エプロンを結ぶ
●女性の下着の着脱
●衣服の着脱
●ズボンのポケットに手を入れる
●体を洗う
●トイレの際の清拭
などの項目が結帯動作と関連があります。
さて、
先ほど述べさせていただいた<内転or外転>ですが、結帯動作には内転結帯と外転結帯があると報告されております(和田満成ら:整形リハ学会誌.2012)。
内転結滞は文字通り肩関節を内転位とした動作
外転結滞は文字通り肩関節を外転位とした動作
この内転結帯と外転結帯にはそれぞれ特徴があるのでしょうか?
上記の図は和田先生が整形リハ学会誌2012年で報告しているものになります。
健常成人58名103肩で検討されています。
検討項目は
●SHA(Spino-humeral Angle)
●母指先端の高さ
●肩関節伸展可動域
●肘関節屈曲可動域
などです。
ちなみに結帯動作は母指先端がどの椎体レベルまで到達するかで表すことが多いです。
この論文の結果では、内転結帯の方がSHA(Spino-humeral Angle)が少なく(肩関節が内転している)、母指先端の高さが高いとのことです。
逆にいうと、外転結帯はSHA(Spino-humeral Angle)が多く、(肩関節が外転している)、母指先端の高さが低いとのことです。
肩甲上腕関節の拘縮(硬さ)がある症例では、この論文通り、外転結帯を行っていることが多い印象です。
よって、結帯動作をより良くしていくためには、肩関節の内転可動域を向上させて、内転結帯を目指していくべきかもしれませんね。
今回は、『結帯動作は外転結帯と内転結帯のどちらがいいの?』について解説させていただきました。