こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『五十肩(拘縮肩)の原因組織は?』について解説させていただきます。
拘縮肩の原因組織を追及している2つの論文をご紹介し、解説していきたいと思います。
まずは1994年に報告された論文から紹介いたします。
上記の論文では肩関節拘縮例に対して、マニピュレーション後に出血や剥離していた組織を、関節鏡にて調査しております。
その結果
●腱板疎部の断裂・出血が14/15例
●骨頭下面の剥離・出血が14/15例
●肩峰下滑液包(SAB)の剥離・出血はなし
これらのことから腱板疎部(烏口上腕靭帯)、IGHL(下関節包)が可動域制限に関与している可能性が高いことが考えられます。
また肩峰下滑液包は、さほど問題はない可能性が示唆されます。
次の論文は日本で2011年に報告された論文です。
この論文では他動肩関節可動域が60%以下に低下した100例100肩に対して、関節鏡視下受動術を施行し、その際の滑膜増殖部位について報告しております。
その結果
上腕二頭筋腱長頭が31/100例
腱板疎部が59/100例
後方組織が29/100例
下方組織が16/100例
肩峰下滑液包が90/100例
烏口肩峰靭帯が16/100例
となっております。
この論文の結果からは、腱板疎部(烏口上腕靭帯)、肩峰下滑液包(SAB)が滑膜増殖しており、拘縮している組織と推察されます。
最初に紹介した論文とは異なり、肩峰下滑液包90/100例が滑膜増殖しており、最初の論文との考察とは相反するところではあります。
様々な五十肩(拘縮肩)の報告をみてみると、原因組織として多く挙げられているのが
●腱板疎部(烏口上腕靭帯)
●肩峰下滑液包(SAB)
●IGHL(下関節包)
これらの3つの組織になります。
これらの3つの組織の拘縮に対してアプローチする場合は
・烏口上腕靭帯は伸展・内転・外旋
・肩峰下滑液包は内転
・IGHLは挙上(屈曲、外転)
にてストレッチする拘縮除去につながると報告されています。
五十肩(拘縮肩)症例にぜひお試しください。
今回は、『五十肩(拘縮肩)の原因組織は?』について解説させていただきました。
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