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『五十肩(拘縮肩)に対しての運動療法に超音波療法を併用すると効果的か?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『五十肩(拘縮肩)に対しての運動療法に超音波療法を併用すると効果的か?』について解説させていただきます。



  『五十肩の最新治療法の効果~サイレントマニピュレーション~』

 『五十肩(拘縮肩)の原因組織は?』

40歳以上の方は経験していることが多くなってきているかもしれませんが、五十肩で肩関節痛に悩まされてる方は多くおられます思います。

五十肩は退行変性(老化)によって肩の組織が傷んできて炎症を起こし、肩関節の関節包が狭小化(狭くなる)が生じて、肩関節の痛みや肩の運動制限が起こるといわれております。

よって、40歳を超えると発症する方が増加し、60歳前後の方は、特にこの五十肩症状になりやすくなります。

五十肩は医療用語では『肩関節周囲炎』や『拘縮肩』、『凍結肩』と呼んだりと様々です。

五十肩の病態としては関節包炎、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋腱炎、石灰性沈着性腱板炎

など多岐に渡ります。

五十肩の症状としては肩関節の痛み(運動時痛、夜間痛)と運動制限の大きく2つあります。

五十肩は基本的には経過が長くなることが多く、早く完治する方では1~3か月程度で症状が治る方もおられますが、治るまで数年(2年~7年)かかることもあります。

そんな中、2017年に五十肩(拘縮肩)の治療として、運動療法やモビライゼーションに超音波療法を追加すると効果が高まるかを検証する論文が海外で報告されています。

内容が気になりますので見ていきたいと思います。



◆論文紹介

Randomized Controlled Trial

 J Bodyw Mov Ther (IF: 1.43; Q2)

. 2017 Oct;21(4):781-787.

 doi: 10.1016/j.jbmt.2016.11.013. Epub 2016 Nov 27.

Does ultrasound therapy add to the effects of exercise and mobilization in frozen shoulder? A pilot randomized double-blind clinical trial

超音波療法は五十肩の運動療法やモビライゼーションの効果を高めるか?パイロット無作為化二重盲検臨床試験

Safoora Ebadi 1Bijan Forogh 2Ehsan Fallah 3Arash Babaei Ghazani 4

Affiliations expand

Abstract

Objective: This study intended to determine the extent to which Ultrasound could add to the effects of exercise and manual therapy in the rehabilitation treatment of primary adhesive capsulitis.

目的 本研究は、一次性拘縮肩のリハビリテーション治療において、超音波が運動療法や徒手療法の効果にどの程度付加できるかを調べることを目的としています。

Design: A pilot double blind randomized clinical trial was carried out on 50 patients suffering from primary adhesive capsulitis. Intervention included continuous 3 MHz, 1.5 w/cm2 Ultrasound, applied for the first group and sham Ultrasound for the second group. In addition specific stretching and strengthening exercises as well as glenohumeral joint mobilization were delivered to both groups. Pain (VAS), functional ability (using Oxford Shoulder Score) and shoulder range of motion were assessed at the baseline, after 10 sessions of treatment, and at 3 months follow-up. An intention to treat Mixed ANOVA analysis was performed to explore the interaction effects of time and group on outcome measures.

デザイン。一次性拘縮肩の患者50名を対象に、パイロット二重盲検無作為化臨床試験を実施した。介入方法は、第1群には3MHz、1.5w/cm2の連続超音波を、第2群には偽超音波を適用した。また、両グループともに、ストレッチと筋力強化のエクササイズ、および肩甲上腕関節のモビライゼーションを行いました。痛み(VAS)、機能的能力(Oxford Shoulder Scoreを使用)、肩の可動域は、ベースライン時、10セッションの治療後、3ヶ月後のフォローアップ時に評価された。治療意図を考慮した混合ANOVA分析を行い、結果指標に対する時間とグループの相互作用効果を検討した。

Results: No significant interaction effect of time and group was seen on pain, function and Range of Motion (p > 0.05), meaning that the amount of improvement in all outcome measures were alike in the two groups.

結果 痛み、機能、ROMには、有意な交互効果は見られず(p>0.05)、つまり、すべての結果指標の改善量は、2つのグループで同様であった。



◆論文の結論

Conclusion: Applying continuous Ultrasound along with a regimen of semi supervised exercise and mobilization in patients with primary adhesive capsulitis did not have any additional effect to the placebo Ultrasound, on outcome measures. Larger scale studies are needed to confirm the findings.

結論 一次性拘縮肩の患者に、半監督下での運動とモビライゼーションのレジメンに沿って連続的な超音波を適用しても、プラセボの超音波と比較して、結果指標に追加効果は見られ

なかった。この結果を確認するには、より大規模な研究が必要である。



◆まとめ

上記論文では一次性拘縮肩50名に対して、超音波療法が運動療法や徒手療法の効果にどの程度付加できるかを調べております。

第1群には3MHz、1.5w/cm2の連続超音波を、第2群には偽超音波を実施しており、両グループとも、ストレッチと筋力強化、肩甲上腕関節のモビライゼーションを行っております。

介入前、10回治療後、3か月後に痛み(VAS)、機能評価、肩関節可動域を評価したところ2群間で有意差はありませんでした。

よって運動療法に超音波療法を追加しても効果が得られなかったということになります。

今回は、『五十肩(拘縮肩)に対しての運動療法に超音波療法を併用すると効果的か?』について解説させていただきました。

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