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『コロナ禍で五十肩(拘縮肩)の発生率が増加?』

一般の方向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『コロナ禍で五十肩(拘縮肩)の発生率が増加?』

について解説させていただきます。

 



2019年末に中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVIT-19)は、世界中に拡大し、日本でも2020年より感染が拡大しました。

日本においてのファイザー社の新型コロナワクチンが2021年2月14日に薬事承認され同月の17日より接種が開始されました。

新型コロナワクチンによる副反応として、摂取部位の疼痛や倦怠感、頭痛、発熱などの症状が頻繁に報告されているが、肩関節周囲炎症状を訴える症例も少なくない印象です。

そんな中、2022年に、新型コロナウイルスのパンデミック前とパンデミック中で五十肩(拘縮肩)の発生率の比較を報告した論文が海外で報告されております。

この論文の検証結果が気になるところですね。

 



◆論文紹介

J Shoulder Elbow Surg (IF: 3.02; Q2)

actions

. 2022 Aug;31(8):1682-1686.

 doi: 10.1016/j.jse.2022.01.123. Epub 2022 Feb 12.

The impact of the COVID-19 pandemic on frozen shoulder incidence rates and severity

COVID-19のパンデミックが五十肩の罹患率と重症度に与えた影響について

 

Joachim Demyttenaere 1Oisin Martyn 2Ruth Delaney 3

Affiliations expand

Free PMC article

Abstract

Background: Although there is evidence that the COVID-19 pandemic had profound physiological and psychological effects, there is no research aimed at understanding if the pandemic has had an impact on the incidence or severity of frozen shoulder (FS). The aim of this study was to compare the incidence and severity of idiopathic FS before and during the pandemic.

概要

背景 COVID-19のパンデミックは、生理的・心理的に大きな影響を与えたという証拠があるが、パンデミックが五十肩(FS)の発生率や重症度に影響を与えたかどうかを理解することを目的とした研究はない。本研究の目的は、パンデミック前とパンデミック中の特発性五十肩の発生率および重症度を比較することである。

Methods: A retrospective cohort study was performed to establish the incidence of FS during the pandemic, from March 2020 to January 2021 (pandemic study period), compared to the same time period 1 year earlier, before the pandemic (control group). All patients who were diagnosed with idiopathic FS were included. To assess the severity of the condition, visual analog scale (VAS) for pain score and Subjective Shoulder Value (SSV) on presentation were recorded and the patients were categorized into 5 different treatment groups (0 injections, 1 injection, 2 injections, 3 injections, or capsular release). As the pandemic and public health restrictions could have influenced the availability of appointments, the waiting time between referral and first appointment was calculated as a possible confounding factor. Statistical analysis was performed using the chi-square and Student t test for categorical and continuous variables, respectively.

方法 2020年3月から2021年1月(パンデミック研究期間)のパンデミック中のFSの発生率を、1年前のパンデミック前(対照群)の同時期と比較して確定するために後向きコホート研究を実施した。特発性FSと診断されたすべての患者を対象とした。重症度を評価するため、疼痛スコアのVAS(Visual Analog Scale)と提示時のSSV(Subjective Shoulder Value)を記録し、患者を5種類の治療群(0回注射、1回注射、2回注射、3回注射、関節包リリース)に分類した。パンデミックや公衆衛生上の制約が予約の有無に影響した可能性があるため、交絡因子となりうるものとして、紹介から初診までの待ち時間を算出した。統計解析は、カテゴリ変数についてはカイ二乗、連続変数についてはStudent t検定を用いて行った。

Results: There were 847 new patient consultations during the pandemic study period; of these, 232 were for idiopathic FS. One year earlier, there were 898 initial consultations for a new shoulder problem; of these, 176 were for idiopathic FS. This represents a relative increase of 39.8% (P < .001) in the incidence of patients with FS. The mean SSV in the control group was 50% ± 20% vs. 45% ± 18% in the pandemic group-statistically significant (P = .013) but unlikely to be clinically significant. The VAS pain score was similar in both groups: mean 6 ± 2 and 7 ± 2, respectively (P = .06). There was no significant difference between the control and the pandemic group in the distribution of patients per treatment group (P = .94). The mean waiting time from referral to appointment was not significantly different between the control and the pandemic group: 58 ± 30 days vs. 55 ± 27 days (P = .30).

結果 パンデミック調査期間中の新患受付は847件で、そのうち特発性FSは232件であった。その1年前には、新しい肩の問題に対する初診は898件で、そのうち176件が特発性FSであった。これは、FS患者の発生率が39.8%(P < 0.001)相対的に増加したことを意味する。対照群の平均SSVは50%±20%であったのに対し、パンデミック群では45%±18%であり、統計的に有意(P = .013)だったが、臨床的に重要であるとは考えにくい。VAS疼痛スコアは,両群で同程度であった:それぞれ平均6 ± 2と7 ± 2(P = 0.06)であった.治療群ごとの患者の分布に、対照群とパンデミック群との間に有意差はなかった(P = 0.94)。紹介から予約までの平均待ち時間は、コントロール群とパンデミック群で有意差はなかった。58±30日 vs. 55±27日(P = 0.30)。

 



◆論文の結論

Conclusion: During the COVID-19 pandemic, there was a significant increase in the incidence of patients with FS. No significant difference in severity was observed. Further research is needed to evaluate a causal relationship between the COVID-19 pandemic and FS.

結論 COVID-19のパンデミック期間中,FS患者の発生率は有意に増加した.重症度には有意差は認められなかった。COVID-19パンデミックとFSの因果関係を評価するためには,さらなる研究が必要である.

 



◆まとめ

上記論文では2020年3月から2021年1月において、新型コロナウイルスのパンデミック中の五十肩の発生率と、パンデミック前(1年前)の同時期における五十肩の発生率を比較しております。

五十肩(FS)と診断されたすべての患者を対象とし、評価は疼痛スコアとしてVAS(Visual Analog Scale)、機能スコアとしてSSV(Subjective Shoulder Value:主観的肩関節値)を記録し、患者を5種類の治療群(0回注射、1回注射、2回注射、3回注射、関節包リリース)に分類しているようです。

その結果、パンデミック調査期間中の肩関節に主訴のある患者847件中、五十肩は232件(27.3%)であったそうです。

パンデミック前の肩関節に主訴のある患者898件中、五十肩は176件(19.5%)であり、パンデミック前よりパンデミック中の方が五十肩の発生率は39.8%増加しているようです。

また、SSV(主観的肩関節値)は臨床的に重要である差はなく、VAS(疼痛)は同程度であったとのことです。

治療群ごと(0回注射、1回注射、2回注射、3回注射、関節包リリース)ではパンデミック前群とパンデミック群との間に有意差はなかったようです。

上記論文の結果を踏まえると、新型コロナウイルスのパンデミック前よりパンデミック中の方が五十肩の発生率は39.8%増加していることがわかりました。また今のところ、パンデミック前とパンデミック中で五十肩の重症度に有意差はなく、パンデミックと五十肩の因果関係は不明でとのことです。

今回は、『コロナ禍で五十肩(拘縮肩)の発生率が増加?』

について解説させていただきました。