こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『腰部脊柱管狭窄症に対する運動療法の効果は?』について解説させていただきます。
本邦は超高齢社会に突入し、ますます腰部脊柱管狭窄症の症例が増えてくることが予想されます。
2021年4月に『腰部脊柱管狭窄症 診療ガイドライン2021 改定第2版』が出版されました。
これは世界中の有用な論文を様々な視点から検証し、科学的根拠のある論文を集めて検証したものになります。
【監修】日本整形外科学会、日本脊椎脊髄病学会
この中から、
『運動療法は有用か』という項目がありますので、みてみたいと思います。
脊柱管狭窄症に関するリハビリの効果についての論文は本邦にはほとんどありませんので気になるところではありますね。
「推奨度」「合意率」「エビデンス(科学的根拠)の強さ」から結果がまとめられております。
世界中の14編の論文から再編されました。
●結論から言うと、
・運動療法は効果的であるが、運動療法の具体的な方法は確立されていない。
・専門家が指導する運動療法は有効。
・除圧術よりは運動療法の効果は低いが、低リスクで、低コストであり重症例以外では推奨する。
このようなことが挙げられています。
2012年以前に報告された運動療法の効果に関する5編のシステマティックレビューでは効果はあるとしたものの、推奨を決定する十分なエビデンスがないとされていた。
しかし、2012年以降の6編の運動療法に関する論文で痛みの緩和やADL、QOLの改善に効果があると報告されている。
運動療法による観察研究の論文12編と除圧術に関する観察研究の論文10編を比較すると、除圧術の方が効果があるとのこと。
ただし、2年経過すると運動療法も、除圧術も効果は同等との報告が記されています。
近年になって脊柱管狭窄症に対する運動療法の効果を示す報告が増えているからこそ、エビデンスが高くなってきているということのようですね。
しかし、これらの報告はいずれも諸外国の報告であり、本邦での有効性を示す報告がでてきてほしいものですね。
今回は、『腰部脊柱管狭窄症に対する運動療法の効果は?』について解説させていただきました。
『腰部脊柱管狭窄症には手術VS保存療法どちらが成績良好か?』