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『半月板断裂に対する半月板縫合術はBMIが高いと成績不良?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『半月板断裂に対する半月板縫合術はBMIが高いと成績不良?』

について解説させていただきます。

 



半月板は大腿骨と脛骨の間にあり、膝関節のクッションの役割をする組織とされています。

半月板損傷は若年者のスポーツ外傷や、高齢者の退行変性(老化)による損傷まで幅広い疾患となります。

高齢者に注目すれば、変形性膝関節症例では半月板が脱転(亜脱臼)していたり、損傷していることもあります。

高齢者においては保存療法が選択されることが多いですが、若年者やスポーツ選手においては、半月板縫合術や半月板切除術など手術療法も選択肢になることが多々あります。

そんな中、2019年に、半月板断裂に対する関節鏡下半月板縫合術の機能予後と年齢・性別・BMIとの関連を検証した論文が海外で報告されております。

この論文の検証結果が気になるところですね。

 



◆論文紹介

J Am Acad Orthop Surg (IF: 3.02; Q2)

. 2019 Feb 1;27(3):104-111.

 doi: 10.5435/JAAOS-D-17-00065.

Outcomes of Arthroscopic Posterior Medial Meniscus Root Repair: Association With Body Mass Index

関節鏡下後方内側半月板根部修復術の成績。BMIとの関連

Robert H Brophy 1Robert D WojahnOlivia LillegravenJoseph D Lamplot

Affiliations expand

Abstract

Introduction: The purpose of this study was to assess the association of outcomes from posterior medial meniscus root repairs with patient age, sex, and body mass index (BMI).

概要

はじめに 本研究の目的は、内側半月板後根修復術の転帰と患者の年齢、性別、およびボディマス指数(BMI)との関連を評価することであった。

Methods: Patients who underwent arthroscopic posterior medial meniscus root repair completed the Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score (KOOS) and reported subsequent surgeries. The association of patient factors with subsequent surgery and clinical osteoarthritis (OA) based on the KOOS score was evaluated.

方法 関節鏡視下内側半月板後根部修復術を受けた患者は、Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)を記入し、その後の手術について報告した。患者因子とその後の手術およびKOOSスコアに基づく臨床的変形性関節症(OA)との関連性を評価した。

Results: Minimum 2-year follow-up was available on 22/25 patients (88%). Two patients (9.1%) had subsequent surgeries, and 10 (45.5%) met the KOOS criteria for OA. A BMI over 35 kg/m was associated with repeat surgery (25% versus 0%; P = 0.049) and clinical OA (75% versus 28.6%; P = 0.035).

結果 22/25例(88%)において最低2年間の追跡調査が可能であった。2例(9.1%)で手術が行われ、10例(45.5%)でKOOSによる変形性関節症の基準を満たした。35kg/m以上のBMIは、再手術(25%対0%、P = 0.049)および臨床的なOA(75%対28.6%、P = 0.035)と関連していた。

 



◆論文の結論

Conclusion: Although arthroscopic repair of posterior medial root tears has good clinical outcomes and a low rate of subsequent surgery, an elevated BMI level is associated with worse clinical outcomes and a higher rate of subsequent surgery.

結論 内側後根断裂の関節鏡修復術は、良好な臨床転帰と低い再手術率であるが、BMIレベルの上昇は、より悪い臨床転帰と高い再手術率に関連している。

 



◆まとめ

上記論文では内側半月板後根断裂に対する関節鏡視下半月板縫合術を施行し、術後2年以上追跡調査が可能であった22例の機能予後とBMIとの関連について報告されています。

対象者はKnee Injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS;患者立脚型膝関節スコア)、再手術、BMI、年齢、性別、臨床的変形性関節症(OA)について評価しています。

その結果、2例(9.1%)が再手術を行い、10例(45.5%)がKOOSによる変形性関節症の基準を満たしたとのことです。

また35kg/m以上のBMIは、再手術率が25%、臨床的なOAの基準を満たすのは75%であったそうです。

上記論文の結果を踏まえると、内側半月板後根断裂に対する関節鏡視下半月板縫合術は良好な成績ではあるものの、BMIが高い症例においては再手術率や膝OAに移行するリスクが高いことがわかりました。

今回は、『半月板断裂に対する半月板縫合術はBMIが高いと成績不良?』

について解説させていただきました。