こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、膝関節で一番痛みを感じやすい組織について解説したいと思います。
膝関節は大腿骨と脛骨と膝蓋骨から構成され、膝蓋大腿関節(PF関節)と脛骨大腿関節(FT関節)で構成されております。
膝関節内組織は半月板、関節軟骨、滑膜、線維膜、膝蓋上嚢、前十字靭帯、膝蓋下脂肪体など様々な組織があります。
それぞれの組織に疼痛受容器があるわけですが、どこの組織が一番痛みを感じやすいのでしょうか?
上記の図はDye氏の1998年に報告された有名な論文から引用しております。
局所麻酔を用いて自らの膝関節内をプローブで強く圧迫して疼痛閾値をマッピングした図です。
日本では倫理的に絶対にできない研究ですね。
下記の書籍にも掲載されています。
0から4まで数値がありますが、4が痛みが一番強くなっています。
この情報から4Aと記載されている膝蓋下脂肪体(IFP:Infrapatellar Fat Pad)が一番疼痛を感じやすい組織となっています。
膝蓋下脂肪体(IFP:Infrapatellar Fat Pad)とは膝蓋腱の裏にびっちりと詰まっている脂肪組織になります。
膝蓋腱の内側、外側にて容易に触診が可能です。
膝蓋下脂肪体は膝の屈曲・伸展の動きの際に動きをスムーズにする役割を担っています。
膝関節の内圧の調整も行うともいわれております。
その他にも前方滑膜や関節包も疼痛を感じやすいようです。
確かに、臨床でも膝蓋下脂肪体のモビライゼーション後に膝関節痛が消失する例も多くいらっしゃいます。
膝蓋下脂肪体に痛みがある症例では、膝関節屈曲時や最終伸展時、荷重時に疼痛が生じるケースがあります。
変形性膝関節症や半月板損傷、膝靭帯損傷、膝周囲骨折例などの疾患においても、
これらの情報から病態を解釈したり、アプローチにつながっていくかもしれませんね。
今回は、膝関節で一番痛みを感じやすい組織を解説させていただきました。