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『人工膝関節全置換術(TKA)後の疼痛と満足度』

一般の方向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『人工膝関節全置換術(TKA)後の疼痛と満足度』について解説させていただきます。

 



人工膝関節全置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)

人工膝関節全置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)は変形性膝関節症や関節リウマチ、膝の骨壊死などの膝関節症により、痛みや膝の曲げ伸ばしにくさ(関節可動域制限)を改善するための手術です。

膝関節を人工の膝関節の交換することで、痛みが軽減し、歩行や階段昇降などの動作がしやすくなります。

なかでも高齢女性に多い変形性膝関節症からTKAに移行する割合が最も高いとされています。

 



変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは加齢とともに膝関節の軟骨が質の低下により、徐々にすり減り、歩行時や階段昇降時、立ち上がり動作時などに痛みが出現する病気です。

変形性膝関節症が進行すると、O脚変形が進行することがあります。また膝の曲げ伸ばしの可動域が減少し、正座も困難となることがあります。

TKA後の疼痛と満足度は相関し、疼痛残存すると満足度が下がる(Baker PN,et al:JBJS.2007)というデータもありますので、実際のところはどのようなものか、下記の論文で詳しく述べられています。

 



人工膝関節全置換術(TKA)の満足度

 非常に不満不満普通満足非常に満足
全体7.647.729.351.3
疼痛(歩行)43.37.233.252.3
疼痛(階段)4.88.51536.934.7
疼痛(座位、臥位)3.539.135.548.9
機能(階段)4.47.81539.233.6
機能(車・バスの乗降)48.916.939.530.7
機能(起き上がり)33.811.44041.8
機能(臥位)3.12.710.237.546.6

(中村伸一郎 他:関節外科.2019 引用して改変)

このように上記のデータを見てみると約80%の人が基本的にはTKAを満足しています。

あえて厳しい見方をしてみると、TKA後20%の人が満足してらず、特に階段昇降、車・バスの乗り降りで満足度が低い傾向にあります。

要するに膝の曲げ伸ばしの運動が入る段差昇降の動作において満足度がやや低いようです。

約80%の人が満足するというのは、非常に有効な手術ではないかと思われます。

ただ、このデータは手術をして1年経過後のデータにはなります。

中にはTKAをしてすぐに膝の状態が良くなることを想像している方もいらっしゃるかもしれませんが、手術後の痛みが強く苦しんでる方も多くいらっしゃいます。

手術する病院によって異なりますが、だいたい、手術後約1か月前後はリハビリをしっかり行わないといけない期間があります。

リハビリ期間では、中には痛みやトレーニングがつらいと感じる方もいらっしゃいます。

そのリハビリ期間を乗り越えると満足度が高い膝の状態になる方が80%いらっしゃるということになります。

変形性膝関節症(膝OA))の痛みや運動制限で苦しんでいて、保存療法で限界がきている方は人工膝関節全置換術(TKA)を選択肢として考慮してみても良いかもしれませんね。

今回は、『人工膝関節全置換術(TKA)後の疼痛と満足度』

について解説させていただきました。

 



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