こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『腰椎椎間板ヘルニアは手術と保存療法どっちが成績良好??』について解説させていただきます。
このテーマに沿って下記の論文をご紹介させていただきます。
この研究は1976年に報告されていますが、腰椎の業界ではすごく有名な論文になります。
SPINEという脊椎業界では名門の雑誌に投稿されております。
腰椎椎間板ヘルニア280例について手術治療、保存治療を行った患者を前向きに10年間追跡調査した研究です。
この調査の結果では
1年後の成績は手術を行った群が有意に成績良好
成績良好例は 保存療法:24/66例=36.3% 手術:39/60例=65.0%
4年後の成績は手術を行った群の方が成績良好ではあるが有意差はなかった。
成績良好例は 保存療法:34/66例=51.5% 手術:40/60例=66.6%
10年後の成績はその差はほとんどなかった
成績良好例は 保存療法:37/66例=56.0% 手術:35/60例=58.3%
との結果がでています。
手術を行った場合、短期の成績は良いようですが長期的に見ると手術をしても保存的に経過をみてもあまり変わらないという結果がでております。
「保存的治療と手術的治療を比較すると,臨床症状に関しては手術的治療のほうが長期的にも良好な成績を示すが,10年後にはその差は減少する.」【grade B】
(腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 改訂第2版)
この結果をみると手術は合併症や副作用、後遺症のリスクがあるので長期的なことを考えると保存療法を選択したくなるような結果になっております。
しかし、腰椎椎間板ヘルニアの症状が重度も場合は、仕事ができなくなったり、日常生活が不便になったり、歩行が困難になることもあります。
そんな場合は手術をして、すぐに楽になる選択肢を考えても良いかと思います。
仕事や私生活がかかっている場合は、長く入院期間をとったり、休職したりできないといった事情も個人個人あるでしょうから。
保存療法で経過を見ると時間がかかりますので。
腰椎椎間板ヘルニアの重症度と私生活の状況ともバランスを考えて、手術や保存療法の治療選択をする必要があるかと考えます。
今回は、『腰椎椎間板ヘルニアは手術と保存療法どっちが成績良好?』について解説させていただきました。