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『結帯動作の制限因子となる筋肉は?~パート2~』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『結帯動作の制限因子となる筋肉は?~パート2~』



について解説させていただきます。

結帯動作とは文字通り帯を結ぶ動作という意味合いの言葉で、自分の腰に手を回すような上肢の動作になります。

結帯動作は上肢の動き(特に肩)をスクリーニング的に評価できる動作でもあり、肩の機能評価や治療の効果判定などにもよく使われます。

・運動学的視点では

肩甲上腕(GH)関節の伸展・内旋・内転or外転

肩甲骨の前傾・内転・下方回旋

になります。

 『結帯動作で肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節のどちらが異常か判別する方法』

 『結帯動作は外転結帯と内転結帯のどちらがいいの?』



◆結帯動作が必要なADL

また、結帯動作はADL(日常生活動作)とも関わりが深いです。

結帯動作に関連するADL(日常生活動作)は以下の通りです

・衣服の着脱

・ズボンのポケットに手を入れる

・トイレの際の清拭

・エプロンを結ぶ

・体を洗う

・女性の下着の着脱



◆結帯動作を数値化するための方法

ちなみに結帯動作は母指先端がどの椎体レベルまで到達するかで表すことが多いです。

結帯動作は下垂位(1st肢位)内旋で表され、内旋可動域〇〇°と表記することもありますが、内旋可動域L4レベルのように表記することもあります。

また、結帯動作を正確に数値化する方法として、結帯動作時の第7頚椎棘突起と母趾先端の指椎間距離(C7-Thumb Distance:C7-TD)を計測する方法があり、〇〇㎝と表すこともあります。



◆結帯動作の制限因子となる筋肉

結帯動作を獲得できないときに、制限してくる筋肉はいくつかあります。

下記の記事で2つの筋についてご紹介しております。

『結帯動作を獲得するために重要な筋肉は?』

下記の論文は超音波エコーを使用し、各肢位における肩関節後方組織である棘下筋と小円筋の弾性係数を表しています。

(福吉正樹, 整形リハ会誌15;15-20.2012)

この論文での計測の肢位は背臥位です。

2nd肢位(肩関節外転90°位)での内旋を1とした時の弾性係数の比率を数値化しております。

弾性係数の数値が高いほど組織が硬く筋が伸張されているということになります。

つまり組織が伸張され硬くなり制限因子になると考えられます。

肩関節伸展位での内旋が結帯動作に関連しますので、その肢位では棘下筋の弾性係数が非常に高くなっていることがわかります。

よって、結帯動作に近い肩関節伸展30°位での内旋では棘下筋が制限因子となり治療アプローチの対象になることがわかります。

ちなみにですが小円筋は3rd肢位(肩関節屈曲90°位)内旋で弾性係数が高くなることがわかります。

参考までにこの論文から読み取れることは

棘下筋の機能障害を評価する際には肩関節伸展30°位・内旋で伸張性を評価することができ、さらにこの肢位で外旋筋力をチェックすると棘下筋筋力の評価をすることができる。

同じように小円筋では機能障害を評価する際には肩関節屈曲90°位・内旋で伸張性を評価することができ、さらにこの肢位で外旋筋力をチェックすると小円筋筋力の評価をすることができる。

 



少し話はそれましたが、結帯動作(肩関節伸展・内旋)に棘下筋は重要な筋肉であることがわかりました。

棘下筋へのアプローチが上手くいけば、結帯動作が即時的に良くなる症例も多くいらっしゃいますので、評価・治療の対象にしてみてはいかがでしょうか。

今回は、『結帯動作の制限因子となる筋肉は?~パート2~』

について解説させていただきました。