こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『日常生活動作に必要な膝関節可動域の一覧表』をご紹介させていただきます。
膝関節の関節可動域制限をきたす疾患はいくつかあります。
・変形性膝関節症
・人工膝関節置換術後
・半月板損傷
・靭帯損傷(前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯)
・膝蓋骨骨折
・脛骨高原骨折
・大腿骨遠位部骨折
など。
これらの疾患のリハビリにあたり、困るのは膝関節可動域制限に対して、関節可動域練習を行いますが、どれくらいの膝関節角度で、どの動作が獲得できるかがわからないことです。
いろんな著書や論文を検索しても、記載されているものは少なかったり、限定的であったりします。
下記の図にまとめてあるので参考にしていただけると幸いです。
★吉元 洋一:下肢のROMとADL,理学療法学.1988
健常成人37名(男性:14名 女性23名)に対して、三次元電気角度計によって計測されています。
★橋本 貴幸:膝関節拘縮の評価と運動療法,運動と医学の出版社.2020
●正座:膝関節屈曲150°、内旋22°、内反10°
●胡坐(あぐら):膝関節屈曲130°、内旋31°、内反34°
●横座り:膝関節屈曲145°、内旋15°外反6°
●和式トイレ:膝関節屈曲150°、内旋23°、内反8°
●階段昇段(15㎝):膝関節屈曲55°
●階段昇段(25cm):膝関節屈曲85°
●階段降段(15㎝):膝関節屈曲80°
●階段降段(25㎝):膝関節屈曲105°
またそれ以外にも自転車駆動については、学会発表での抄録等で屈曲110°から120°程度で動作可能と記載されているものが多かったです。
自転車駆動については下肢の長さやサドル・ペダルの高さ、座る位置でも膝関節屈曲角度が変わるため、ばらつきがありそうですね。
膝関節の屈曲可動域は他動もしくは自重にて160°になります。
また、日本人工関節学会は130°以上の屈曲を『深屈曲』と定義しております。
具体的に日常生活動作中の膝関節参考可動域がわかると、リハビリにおいての目標も設定できるので、関節可動域練習の質も向上しそうですね。
機能予後も推測しやすくなります。
今回は、『日常生活動作に必要な膝関節可動域の一覧表』についてご紹介させていただきました。