こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『原因不明な腰痛(非特異的腰痛)は22%?』
について解説させていただきます。
1992年に原因のわからない腰痛(非特異的腰痛)が85%あるという報告が広まってきました。(Deyo RA, et.al.1992)
原因のわからない腰痛が85%という数字は現代の医学にしてはかなり多い印象を持ちます。
この『非特異的腰痛85%』の解釈が変わるような論文が以下に報告されています。
Diagnosis and Characters of Non-Specific
Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low
Back Pain Study
Hidenori Suzuki*, Tsukasa Kanchiku, Yasuaki Imajo, Yuichiro Yoshida, Norihiro Nishida,
Toshihiko Taguchi
PLoS One. 2016 Aug 22;11(8)
Abstract 要約
Study Design
Cross sectional data from the Yamaguchi low back pain study conducted in Yamaguchi prefecture,
Japan, was used for this analysis.
【研究デザイン】
この分析には、日本の山口県で実施された山口県腰痛調査の横断的調査が使用されました。
Methods
A total of 320 patients were recruited from walk-in orthopedic clinics in Yamaguchi Prefecture,
Japan. Patients visited the clinics primarily for low back pain (LBP) and sought treatment
between April and May 2015. A self-questionnaire was completed by patients, while
radiographic testing and neurological and physical examination was performed by the
orthopedist in each hospital. The cause and characters of LBP was determined following
examination of the data, regional anesthesia and block injection.
【方法】
自己アンケートは患者によって完了し、一方で 放射線検査と神経学的および身体検査は、 各病院のオルトホープディスト。LBPの原因と文字は以下の通り決定された
データの検査, 局所麻酔とブロック注射.
山口県の整形外科医院から320名の患者を募集した。
患者は2015年4月から5月にかけて、主に腰痛のために診療所を訪れ、治療を受けました。患者さんには自己問診票を記入していただき、各病院の整形外科医がX線検査、神経学的検査、身体的検査を行いました。腰痛の原因と項目は以下のように決定されました。
データの検査、局所麻酔、ブロック注射。
Results
‘Specific LBP’ was diagnosed in 250 (78%) patients and non-diagnosable, ‘non-specific
LBP’ in 70 (22%) patients. The VAS scores of patients were: LBP, 5.8±0.18; leg pain, 2.9
±0.18 and the intensity of leg numbness was 1.9±0.16. Item scores for SF-8 were: general
health, 46.6±0.40; physical function, 43.5±0.51; physical limitations, 42.8±0.53; body pain,
42.1±0.52; vitality, 48.4±0.37; social function, 46.9±0.53; emotional problems, 48.9±0.43;
mental health, 46.9±0.43.
【結果】
「特異的腰痛」と診断されたのは250名(78%)、診断不能な「非特異的腰痛」は70名(22%)でした。
患者のVASスコアは 腰痛: 5.8±0.18、 下肢痛:2.9±0.18、下肢のしびれの強さは1.9±0.16でした。SF-8の項目得点は、一般的な健康:46.6±0.40、身体機能:43.5±0.51、身体的制限:42.8±0.53、身体の痛み:42.1±0.52、生命力の強さ:
42.1±0.52、活力:48.4±0.37、社会的機能:46.9±0.53、感情的問題:48.9±0.43、
精神的健康:46.9±0.43。
Conclusions
The incidence of non-specific LBP in Japan was lower than previous reports from western
countries, presumably because of variation in the diagnosis of LBP between different health
care systems. In Japan, 78% of cases were classified as ‘specific LBP’ by orthopedists.
Identification of the definitive cause of LBP should help to improve the quality of LBP
treatment.
【結論】
日本における非特異的腰痛の罹患率は欧米諸国の報告に比べて低いが,これは医療制度の違いによる腰痛の診断のばらつきによるものと考えられる。
日本では、78%の症例が整形外科医によって「特異的腰痛」と分類された。
腰痛の決定的な原因を特定することは、腰痛治療の質の向上に役立つはずです。
この研究では画像で判断できない腰痛(非特異的腰痛)は79%であるが、
理学所見を補助的に追加することで、診断可能になった腰痛は78%であったとされています。
実際に診断ができなかった『原因不明な腰痛』は22%という結果になっております。
◆非特異的腰痛(画像で診断しにくいもの)
・筋筋膜性腰痛
・椎間関節性腰痛
・椎間板性腰痛
・仙腸関節性腰痛
などが挙げられています。
これらの腰痛は理学所見を取ることで診断が可能となります。
よって、腰痛の方がいても腰痛の知識があれば、ほとんどのケースで原因が特定できるということになります。
◆特異的腰痛(画像で診断が可能な腰痛)
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎椎間板ヘルニア
・脊椎圧迫骨折
などが挙げられます。
今回は、『『原因不明な腰痛(非特異的腰痛)は22%?』』について解説させていただきました。