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『パテラモビライゼーションによる膝蓋支帯ストレッチの方法』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、

について解説させていただきます。



膝関節は膝蓋大腿関節、内側大腿脛骨関節、外側大腿脛骨関節の3つの関節で構成されています。

パテラ(膝蓋骨)モビライゼーションは膝関節可動域を向上させたい場面や、膝関節痛を軽減させたいときなどで有効な場面があります。

パテラには外側膝蓋支帯と内側膝蓋支帯が付着しており、膝関節の安定性を保つための重要な組織です。

内側膝蓋支帯は、内側広筋の線維の延長上にある組織で、内転筋結節にも付着し、膝蓋靱帯と内側側副靭帯の間に停止します。

外側膝蓋支帯は外側広筋以外に大腿直筋、腸脛靭帯から起始を持ちます。

これらの線維に収縮力はなく、膝関節伸展機構の補助的な張力伝達装置として働きます。

また、膝関節術後の拘縮予防や改善に内側・外側膝蓋支帯の柔軟性、滑走性が重要です。

膝蓋支帯は人工膝関節全置換術(TKA:Total Knee Arthroplasty)や膝蓋骨骨折に対する手術において術侵襲を受けやすい組織でもあります。

よって、術後に癒着したり、柔軟性・滑走性が低下しやすくなる組織でもあります。

以上のことから、膝蓋支帯のストレッチングは重要になります。

膝蓋支帯のストレッチは様々な方法がありますが、その方法の1つとしてパテラのモビライゼーションにて膝蓋支帯のストレッチを行うことが可能です。



◆パテラ(膝蓋骨)モビライゼーション

上記の図は、パテラをモビライゼーションすることで膝蓋支帯のストレッチを実施する方法です。

パテラには内側膝蓋支帯と外側膝蓋支帯が付着しています。

よって、パテラを様々な方向に移動させたり傾斜(tilt)させたりすることで膝蓋支帯がストレッチされます。

膝関節屈曲位ではパテラ周囲の軟部組織が硬くなりモビライゼーションを行いにくいので、最初は膝関節伸展位で行います。

そして、十分な柔軟性が確保できてると判断した場合、徐々に膝関節屈曲可動域を増やしながら、パテラモビライゼーションを行います。

12時→6時の方向

1時→7時の方向

3時→9時の方向

5時→11時の方向

6時→12時の方向

7時→1時の方向

9時→3時の方向

11時→5時の方向

各方向にモビライゼーションすることで内側・外側の膝蓋支帯がストレッチされます。

『黄色』で示したものはパテラをティルティング:tilting(傾斜)させる方法です。

パテラの12時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの6時箇所がティルトする。

パテラの1時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの7時箇所がティルトする。

パテラの3時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの9時箇所がティルトする。

パテラの5時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの11時箇所がティルトする。

パテラの6時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの12時箇所がティルトする。

パテラの7時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの1時箇所がティルトする。

パテラの9時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの3時箇所がティルトする。

パテラの11時箇所を表面から裏面に向けて押す→パテラの5時箇所がティルトする。

各方向にパテラをティルティング:tilting(傾斜)させることで内側・外側の膝蓋支帯がストレッチされます。

今回は、『パテラモビライゼーションによる膝蓋支帯ストレッチの方法』について解説させていただきました。

 『膝関節モビライゼーションの方法~脛骨(下腿)回旋徒手操作~』

 『膝関節モビライゼーションの方法~膝関節牽引徒手操作~』