こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『タオルギャザ―はやり方次第で2種類の効果があります!!』について解説させていただきます。
『長母趾屈筋ストレッチの方法は足関節背屈+母趾伸展だけでは不十分?』
足趾のトレーニングでは「タオルギャザ―」が有名であると思います。
足趾を屈曲(握りこみ)でタオル等をたぐりよせる運動です。
足趾の筋力向上や、足部の浮腫予防(改善)、アーチの保持トレーニングなどの効果が期待されます。
タオルギャザーをより専門的に分析すると、やり方次第で2種類の効果が得られます。
◆2種類のタオルギャザ―の方法
●足関節底屈位でのタオルギャザー
●足関節背屈位でのタオルギャザ―
●足関節底屈位でのタオルギャザー
足部を少し前方に出すことで足関節が底屈位となります。
足関節底屈位では長母趾屈筋、長趾屈筋などの2関節筋は弛緩位となります。
よって「足部の内在筋」優位のトレーニングとなります。
アーチの保持などに有効なトレーニング方法となります。
●足関節背屈位でのタオルギャザ―
足部を少し後方に位置させることで足関節が背屈位となります。
足関節背屈位では長母趾屈筋、長趾屈筋などの2関節筋が伸張位となります。
よって「足部外在筋」優位(長母趾屈筋、長趾屈筋)のトレーニングとなります。
長母趾屈筋、長趾屈筋は足関節背屈制限の原因ともなりますので、収縮練習をしておくことで、足関節背屈可動域の改善・予防効果につながります。
◆タオルギャザ―で効果が得られる足部内在筋
●母趾外転筋
起始:踵骨隆起の内側突起、足底腱膜
停止:母趾の基節骨底
作用:母趾の中足趾節(MTP)関節底屈、
:母趾を体中心方向へ外転
神経支配:内側足底神経(L5、S1)
●短趾屈筋
起始:踵骨隆起の内側結節、足底腱膜
停止:第2-5趾の中節骨底側面
作用:第2-5趾の中足趾節(MTP)関節底屈
:第2-5趾の近位趾節間(PIP)関節底屈
:縦足弓の保持
神経支配:内側足底神経(L5、S1)
●小趾外転筋
起始:踵骨隆起の外側突起と底面、足底腱膜、第5中足骨粗面
停止:小趾の基節骨底
作用:小趾の中足趾節(MTP)関節底屈、小趾の外転
縦足弓の保持
神経支配:外側足底神経(S1-S3)
●第1-4虫様筋
起始:長趾屈筋腱の内側縁
停止:第2-5趾の趾背腱膜
作用:第2-5趾の中足趾節(MTP)関節底屈
:第2-5趾の近位趾節間(PIP)関節背屈
遠位趾節間(DIP)関節背屈
:開いた趾を閉じる
神経支配:・第1,2,(3)虫様筋:内側足底神経(S1-S3)
:・第(2,3),4虫様筋:外側足底神経(S1-S3)
●短母趾屈筋
起始:内側楔状骨、中間楔状骨、底側踵立方靭帯
停止:母趾基節骨底
作用:母趾の中足趾節(MTP)関節底屈、縦足弓の保持
神経支配:・内側頭:内側足底神経(L5、S1)
・外側頭:外側足底神経(S1、S2)
●母趾内転筋
起始:・斜頭:第2-4中足骨、立方骨、外側楔状骨
:・横頭:第3-5趾の中足趾節(MTP)関節、深横中足靭帯
停止:母趾基節骨底
作用:母趾の中足趾節(MTP)関節底屈、内転
横足弓の保持(横頭)
神経支配:外側足底神経(S1、S2)
●短小趾屈筋
起始:第5中足骨底、長足底靭帯
停止:小趾基節骨底
作用:母趾の中足趾節(MTP)関節底屈
神経支配:外側足底神経(S1、S2)
●第1-3底側骨間筋
起始:第3-5中足骨の内側縁
停止:第3-5趾の基節骨底内側、第3-5趾の趾背腱膜
作用:第3-5趾の中足趾節(MTP)関節底屈
:第3-5趾の近位趾節間(PIP)関節背屈、遠位趾節間(DIP)関節背屈
神経支配:外側足底神経(S1、S2)
●第1-4背側骨間筋
起始:二頭に分かれ第1-5中足骨のお互いに向かい合った面
停止:・第1背側骨間筋:第2趾の基節骨底内側、第2趾の趾背腱膜
・第2-4背側骨間筋:第2-4趾の基節骨底外側、第2-4趾の趾背腱膜
作用:第2-4趾の中足趾節(MTP)関節底屈
:第2-4趾の近位趾節間(PIP)関節背屈、遠位趾節間(DIP)関節背屈
:趾を広げる(第3・4趾を第2から外転)
神経支配:外側足底神経(S1、S2)
◆タオルギャザ―で効果が得られる足部外在筋
●長趾屈筋
起始:脛骨後面の中央1/3
停止:第2-5末節骨底
作用:・距骨下方の関節(距踵関節+距踵舟関節):内反(回外)
:・第2-5趾の中足趾節(MTP)関節屈曲
近位趾節間(PIP)関節屈曲
遠位趾節間(DIP)関節屈曲
神経支配:脛骨神経(L5-S2)
●長母趾屈筋
起始:腓骨後面の下部2/3、下腿骨間膜の腓骨側
停止:母趾の基節骨底
作用:距腿関節底屈
距骨下方の関節(距踵関節+距踵舟関節):内反(回外)
母趾の中足趾節関節底屈、趾節間(IP)関節底屈
内側縦足弓の保持
神経支配:脛骨神経(L5-S2)
このようにタオルギャザ―の方法を変えることで、トレーニング効果が得られる筋も変わります。
ぜひお試しください。
今回は、『タオルギャザ―はやり方次第で2種類の効果があります!!』について解説させていただきました。