こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は胸肋関節モビライゼーションの方法(徒手療法)をご紹介したいと思います。
『胸肋関節』ですが聞きなれない言葉かもしれません。リハビリの専門家でも胸肋関節がどこにあるのかわからなかったり、アプローチをできない方は数多くいらっしゃると思います。
『胸肋関節』は文字通り胸骨と肋骨のつなぎ目の関節になります。
最後に図でご紹介いたします。
胸肋関節のモビライゼーションはどういったケースで行うか?ですが!
頚椎疾患(頚椎症、頚椎神経根症、頚椎椎間板ヘルニアなど)
肩関節疾患(肩関節周囲炎、腱板損傷、五十肩、拘縮肩、凍結肩など)
腰椎疾患(仙腸関節性腰痛、椎間関節性腰痛、筋筋膜性腰痛、腰部脊柱管狭窄症など)
などで使用場面があるかと思われます!!
この図はJoint-by-Joint theoryの図です。
可動性が必要な関節と安定性が必要な関節は隣同士に配列されているというセオリーです。
可動性が必要な胸郭が拘縮し、可動性が失われてしまいますと、隣の関節である頚部、肩肩関節、腰椎に負担がきて故障してしまいます。
ですので頚椎、肩関節、腰椎に障害がある時、もしくは障害予防の際に胸郭へのアプローチは重要になります。
胸郭は鎖骨、肋骨、胸骨、胸椎、肩甲骨で構成されており、60歳以降から柔軟性が失われていきます。
胸郭に関わる関節は上の図のように、胸鎖関節、肩鎖関節、胸肋関節、椎間関節、肩甲胸郭関節、肋椎関節などがあります。
胸郭の柔軟性を保つ(回復させる)ためには上記の関節へアプローチする技術が必要です。
今回は胸郭の関節のひとつである『胸肋関節』のモビライゼーション方法をご紹介します。
様々なモビライゼーションの方法があるとは思いますが、今回ご紹介する方法は、徒手療法の手技で用いられる方法の一つです。
●被検者は背臥位
●胸骨付近の肋骨部を把持します
●肋骨部を軽く上下にゆするように動かします
胸肋関節は1mm程度のわずかな可動性しか持たない関節であるため、ごくごくソフトに動かすことがポイントです。
また胸肋関節のモビライゼーションの際に、痛みを訴える方が多いです。
痛みがあるのは機能障害があることを示します。
痛みがある胸肋関節は痛みがでない程度のソフトな刺激で、モビライゼーションを行ってください。
胸肋関節の可動性をいくつか回復させると大きな可動性改善になります。
胸肋関節の可動性が回復すれば、胸郭が柔軟になり、頚部、肩関節、腰椎へ良い影響を及ぼす可能性が高くなります。
もちろん胸郭機能や呼吸機能自体もよくなる可能性もあります。
今回は胸肋関節モビライゼーションの方法(徒手療法)をご紹介させていただきました。