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『結帯動作を獲得するために重要な筋肉は?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『結帯動作を獲得するために重要な筋肉は?』

について解説させていただきます。

 



結帯動作とは文字通り帯を結ぶ動作という意味合いで、自分の腰に手を回すような上肢の動作になります。

結帯動作は上肢の動き(特に肩)をスクリーニング的に評価できる動作でもあり、肩の機能評価や治療の効果判定などにもよく使用されます。

運動学的には

肩甲上腕(GH)関節の伸展・内旋・内転or外転

肩甲骨の前傾・内転・下方回旋

になります。

また、結帯動作はADL(日常生活動作)とも関わりが深いです。

結帯動作に関連するADL(日常生活動作)は以下の通りです

●衣服の着脱

●ズボンのポケットに手を入れる

●エプロンを結ぶ

●体を洗う

●女性の下着の着脱

●トイレの際の清拭

ちなみに結帯動作は母指先端がどの椎体レベルまで到達するかで表すことが多いです。

結帯動作は下垂位(1st肢位)内旋で表され、内旋可動域〇〇°と表記することもありますが、内旋可動域L4レベルのように表記することもあります。

 



結帯動作を獲得できないときに、制限してくる筋肉はいくつかあります。

そのうちの一つに、永井教生ら(日整超会誌.2018)の報告では烏口腕筋と上腕二頭筋短頭の共同腱(conjoint tendon)に着目しております。

この2筋は結帯動作を制限する作用があると考えられます。

論文の内容としては、

健常男性の烏口腕筋と上腕二頭筋短頭の共同腱(conjoint tendon)を超音波画像診断装置(エコー)を使用し、様々な肢位で組織弾性を調査する研究です。

組織弾性が高いということは、筋が硬くなっているということなので制限因子になるということを意味します。

測定肢位と組織弾性の結果は以下の通りです。

・背臥位

1,肩関節屈伸0°  79.0kPa

2,肩関節伸展30°   86.3kPa

3,肩関節伸展45°   104.2kPa

4,90°外転90°外旋位   221.5kPa

・端坐位

5,肩関節屈伸0°    72.5kPa

6,結帯L5レベル    205.4kPa

7,結帯L1レベル    243.5kPa

これらの結果から、烏口腕筋と上腕二頭筋短頭の共同腱(conjoint tendon)は90°外転(2nd肢位)外旋90°と結帯動作肢位で制限因子となることがわかります。

安静肢位と比べて結帯肢位では約3倍、組織弾性が高くなるということになります。

また治療(リハビリ)の考え方としては、結帯動作を用いてストレッチするのも良いと思いますが、2nd肢位での外旋肢位にて共同腱(conjoint tendon)をストレッチすることも有効と考えられます。

もちろんストレッチをする前に共同腱(conjoint tendon)を様々なrelaxation手技にて柔らかくしておくことは重要と考えます。

今回は、『結帯動作を獲得するために重要な筋肉は?』

について解説させていただきました。