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『肩関節挙上可動域改善のコツ~肩下方関節包ストレッチ~』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、

について解説させていただきます。



肩関節可動域(ROM)制限の要因になるものは下記のようにいくつかあります。

・上腕骨近位部骨折後

・肩関節関連の術後

・肩関節周囲炎

・拘縮肩

・凍結肩

・肩峰下滑液包炎

・上腕二頭筋腱炎

・石灰性沈着性腱板炎

・脳卒中の後遺症

など

特に拘縮肩:Frozen shoulder(肩関節周囲炎)の症例は多く、肩関節可動域制限は必発します。

拘縮肩:Frozen shoulder(肩関節周囲炎)は

・屈曲100°未満

・外旋10°未満

・内旋L5以下

(Itoi E et al. 2016)

と定義され、肩関節の挙上が著しく制限されることも多いです。

肩関節挙上制限がある場合、肩関節の下方組織が問題であるとされています。

肩関節下方組織は:

AIGHL(前下関節上腕靭帯)、PIGHL(後下関節上腕靭帯)、IGHL(下関節上腕靭帯)肩甲下筋、大円筋、小円筋、広背筋、肩甲下筋、axillary pouch:(腋窩陥凹)

 などがあります。

肩関節の下方組織は上記のように多岐に渡りますが、

IGHL:Inferior Glenohumeral Ligament(下関節上腕靭帯)は肩関節挙上制限の要因の中でも拘縮を起こしやすい組織のうちのひとつです。

関節上腕靭帯は『靭帯』と表記されていますが、関節包が肥厚したような組織です。

また、そのすぐ近隣には腋窩陥凹(axillary pouch)があります。

IGHLやaxillary pouchが拘縮したり、短縮すると肩関節挙上制限につながります。



上記のように、肩峰からやや外側の上腕骨頭を下方に押し下げながら、もう一方のセラピストの手で肩関節を挙上させていき、IGHL(下方関節包)およびaxillary pouchをストレッチしてきます。

もしくは肩関節挙上位の状態から肩峰からやや外側の上腕骨頭を下方に押し下げるようにIGHL(下方関節包)およびaxillary pouchをストレッチしていきます。

ちなみに関節包へのストレッチングによる即自的な改善は1~2°と報告されています

(Muraki T et al:J Orthop Sports Phys Ther.2011)

今回は、

『肩関節挙上可動域改善のコツ~肩下方関節包ストレッチ~』

について解説させていただきました。