こんにちは!
運動器専門のリハビリスタッフです!!
いつもお世話になります。
今回は、『結帯動作で肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節のどちらが異常か判別する方法』
について解説させていただきます。
結帯動作とは文字通り帯を結ぶような動作で、自分の腰に手を回すような上肢の動作になります。
結帯動作は上肢の動き(特に肩)をスクリーニング的に評価できる動作でもあり、肩の機能評価や治療の効果判定などにもよく使用されます。
運動学的には
肩甲上腕(GH)関節の伸展・内旋・内転or外転
肩甲骨の前傾・内転・下方回旋
になります。
また、結帯動作はADL(日常生活動作)とも関わりが深いです。
ADL(日常生活動作)では
●衣服の着脱
●ズボンのポケットに手を入れる
●エプロンを結ぶ
●体を洗う
●女性の下着の着脱
●トイレの際の清拭
などの項目が結帯動作と関連があります。
ちなみに結帯動作は母指先端がどの椎体レベルまで到達するかで表すことが多いです。
結帯動作の異常については肩甲上腕関節(肩関節:GH)か肩甲骨を主体とした肩甲胸郭関節(ST)かどちらかに異常があるケースが多いです。
肩甲上腕関節に異常があるか?
肩甲胸郭関節に異常があるか?
スクリーニング的に評価できる方法が下記で記されています。
この報告では、結帯動作開始から母趾先端が尾骨レベル~Th12~Th7レベルまでの動作を解析しております。
その結果、
結帯動作開始~尾骨までにほぼ最大に近い肩関節内旋の動きが確認されています。
母指先端がTh12~Th7までは肩関節の内旋の角度はほとんど変化がないとのことです。
この報告を踏まえて考えると、
結帯動作に異常があるケースにて、母指先端が尾骨までの動きで
肩甲骨の代償がある→肩甲上腕関節の異常
肩甲骨の代償がない→肩甲胸郭関節の異常
とスクリーニング的に判断できます。
さらにTh12~Th7レベルまでの動きについては肩甲帯機能が重要ということがわかります。
もちろん、このスクリーニング的な評価から、さらに確証を得るために、肩甲上腕関節や肩甲胸郭関節の可動域や筋力評価も必要にはなってくるとは思います。
今回は、『結帯動作で肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節のどちらが異常か判別する方法』
について解説させていただきました。