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『橈骨遠位端骨折への手関節以外のリハビリは意味があるの?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『橈骨遠位端骨折への手関節以外のリハビリは意味があるの?』

について解説させていただきます。

 



橈骨遠位端骨折は高齢者の4大骨折に該当する骨折であり、超高齢社会に突入する日本においては、今後増加傾向になることが予想されます。

2017年5月、『橈骨遠位端骨折 診療ガイドライン2017 改定第2版』が南江堂から出版されています。

これは世界中から有用な論文を様々な視点から検証し、科学的に根拠のある論文を集めて検証したものになります。

【監修】日本整形外科学会、日本手外科学会

1988年から2014年の1700編の論文から検証され、再編されております。

この中から、

『手関節以外のリハビリテーションは有用か?』

という項目がありますので見てみたいと思います。

この項目では世界中の論文3編から再編され、そのうち和文は1編です。

このことからもわかるように橈骨遠位端骨折関連の論文で手関節以外のリハビリテーションの内容の論文がかなり少ないことがわかります。

〈推奨文〉

固定中の手関節以外のリハビリテーションは拘縮予防に有用である

〈推奨の強さ〉 2(弱い)

〈エビデンスの強さ〉 C

手関節以外のリハビリテーションは弱く推奨されております。

 



・6週間創外固定中の橈骨遠位端骨折患者に対して、手指の関節可動域訓練を行った群と行わなかった群を比較すると、行った群のほうが有意に手指関節可動域が改善していた。

・ギプス固定による保存療法が施行された橈骨遠位端骨折患者に健側の手関節、手指の関節可動域訓練、筋力トレーニングを行ったところ、対象群と比較して骨折後12週の患側の握力および関節可動域が有意に改善していた。

・手術後または保存療法でギプス固定を行った橈骨遠位端骨折患者に対して、ギプス固定中から早期(平均4.5日)に肩・肘・手指の自動関節可動域訓練の作業療法を行った群(早期群)と、ギプス固定除去後(平均27.8日)から作業療法を行った群(対照群)を比較した。

早期群では肩・肘の拘縮は生じなかったが、対象群では14.3%に拘縮を生じた。手指の拘縮は早期群で12.5%、対象群で78.5%に生じた。

これらの報告からわかるように、早期から手関節以外の肩、肘、手指のリハビリテーションの介入をするほうが良いとされています。

予想通りの結果で納得する報告ばかりですね。

 



人体では二関節筋や運動連鎖の観点から患部付近の関節に障害が波及することは容易に想像できます。

橈骨遠位端骨折後に肩関節周囲炎を発症するケースも多く見受けられます。

前腕の回内外を肩関節の内外旋で代償したり、手関節機能を肩関節機能で補うと肩関節への負荷が強くなり、二次的な障害を引き起こすことがあります。

これは肩だけに限らず、肘・手指においても同様のことが考えられます。

患部付近のリハビリテーションの大事さが再認識されました。

今回は、『橈骨遠位端骨折への手関節以外のリハビリは意味があるの?』について解説させていただきました。