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『パテラセッティングで負荷量を上げる方法』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、

について解説させていただきます。



◆パテラセッティングとは

パテラセッティングは、膝関節のリハビリテーションや筋力トレーニングに広く用いられる方法です。

パテラセッティングはいくつか名称がありquadriceps settingやquad setting、などと言われることもあります。

上記のように膝窩部を床面に自動運動で押し付ける運動です。

膝関節が伸展する動きとなり、大腿四頭筋が収縮します。

対象症例としては変形性膝関節症や膝蓋骨骨折、人工膝関節置換術(TKA)後など多岐にわたります。

◆パテラセッティングの利点

パテラセッティングを行うメリットはいくつかあります。

1,内側広筋の促通および萎縮防止:

パテラセッティングは、特に内側広筋の活性化と筋萎縮の防止に役立ちとされています。

2,膝蓋骨の可動性維持、周囲組織との癒着防止:

この運動は膝蓋骨の動きを維持し、周囲の組織との癒着を防ぐのに有効です。

軽深でのパテラセッティングを行うことで膝蓋上嚢、PFP(Prefemoral Fat Pad)幅の変化を認め周囲組織との癒着予防につながります。

3,膝関節伸展の可動域維持、改善:

パテラセッティングは膝関節の伸展の可動域を維持し、改善するのに役立ちとされています。

4,滑液循環の改善、腫脹の軽減:

パテラセッティングは膝関節の滑液の循環を改善するのに有効です。

負荷の強いパテラセッティングは大腿四頭筋腱への圧迫刺激により関節水腫が軽減するとされています。

また、関節水腫が存在すると、大腿四頭筋の活動が抑制されると報告されています。

(Palmieri-Smith RM,et al:Am J Sports Med.2007)

5,関節包の柔軟性維持、改善:

パテラセッティングは関節包の柔軟性を維持し、改善するとされています。

これらのメリットにより、パテラセッティングは特に膝の外傷後や術後早期の方、また関節不安定性のある関節リウマチなどの疾患に対して効果的な運動療法とされています。



 

◆OKCとCKC

筋力トレーニングには大きく二つに分けることができ

・開放運動連鎖(open kinetic chain;OKC)

・閉鎖運動連鎖(closed kinetic chain;CKC)

OKCでは非荷重下でのトレーニングとなり、鍛えたい筋を単体で意識的に賦活することが可能です。負荷量は比較的弱くなります。

CKCでは荷重下でのトレーニングとなり、一度に多くの筋が導入され、より高負荷なトレーニングが可能となります。

◆Semi-CKCでのパテラセッティング

 

上記のように腹臥位でつま先を立てて支える状態から膝蓋骨(パテラ)を床面から持ち上げるように膝を伸展することで、Semi-CKCでパテラセッティングの運動を行うことが可能です。

Semi-CKCはOpen(非荷重)での運動より少し高い負荷でトレーニングが可能です。



◆CKCでのパテラセッティング

上記のように立位で実施します。

左の写真は立位で壁にもたれた状態で、膝窩と壁の間に柔らかいボールを置き、膝窩でボールをつぶすように膝を伸展させます。

右の写真は立位でセラバンドを膝窩に巻いた状態で膝を伸展させます。

セラバンドの色で負荷量を調整することが可能です。

CKC(荷重下)でのトレーニングはOpen(非荷重)やSemi-CKCよりも強い高い負荷でトレーニングが可能です。

今回は、『パテラセッティングで負荷量を上げる方法』について解説させていただきました。