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『大腿骨転子部骨折術後例で小転子が転位していると運動機能はどうなる?』

リハビリスタッフ向け
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こんにちは!

運動器専門のリハビリスタッフです!!

いつもお世話になります。

今回は、『大腿骨転子部骨折術後例で小転子が転位していると運動機能はどうなる?』について解説させていただきます。

まずは下記の論文の内容からご紹介いたします。

この論文では大腿骨転子部骨折術後95例を対象にしております。

術後4週時(術式はSFN、CHS)の運動機能の調査をしております。

小転子が転位していない群53例と小転子が転子していた群42例の2群に分けて比較しております。

結果は

小転子転位群では小転子が転位していない群比較して

・安静時痛

・術側股関節伸展ROM制限

・術側股関節外転筋力低下

・健側股関節外転筋力低下

・術側膝関節伸展筋力低下

・健側膝関節伸展筋力低下

・歩行能力低下

することがこの研究からわかっております。

 



小転子には腸腰筋が付着しており、腸腰筋機能が低下することは間違いないと思います。

腸腰筋機能が低下すると

下肢挙上能力低下歩行時の立脚後期の支持性低下を筆頭に様々な動作能力にもつながります。

また、小転子が通常の位置から転位しているので、疼痛も引き起こしやすくなります。

 



小転子転位例については、手術で治るんじゃないの?

っと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの整形外科医は手術で小転子転位を整復しないのが事実です。

日本骨折治療学会などの演題やディスカッションで整形外科医の討論を聞いていても、小転子転位に対してアプローチしない整形外科医が多いことを知りました。

この理由としては

・小転子転位を整復するためには、術侵襲が増えることが多い

・小転位の転位の仕方によっては整復するのに高等な技術を要することがある

・小転子を整復しなくても、ある程度機能回復すると思っている整形外科医が多い

数名の知り合いの整形外科医に聞いた話では、このような見解があるそうです。

●リハビリとしては

小転子の仮骨形成がされる約3週までは

・股関節の自動屈曲

・股関節の他動伸展

は控えなければ、小転子転位がさらに進行し、ますます運動機能が悪くなる可能性がありますので気を付けましょう。

今回は、『大腿骨転子部骨折術後例で小転子が転位していると運動機能はどうなる?』について解説させていただきました。

 



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